イシペディア [IshiPedia] > 食事学と医療の大辞典 > DRピエール大友の最強健康管理学 > DRピエール大友が発泡酒を飲まない理由。遺伝子組み換え問題を考える

DRピエール大友が発泡酒を飲まない理由。遺伝子組み換え問題を考える

  • LINEで送る
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

最近はビールにもいろいろな種類がありますね。ビールだけではなく、発泡酒やノンアルコールビールなど様々な商品が出ています。またカロリーゼロ、糖質ゼロ、プリン体ゼロなど一見健康に良さそうな機能性飲料もラインナップされています。

一般的にビールの原料は麦芽、ホップ、水が基本です。実際にドイツではこの3つ以外の成分を入れることは法律で認められていません。日本ではこのほかにお米とうもろこし、デンプン、糖類などの副原料を使用することが酒税法で認められています。

★ビールの定義は:麦芽・ホップ比率が3分の2以上含まれていて、副原料が3分の1を超えないもの
★発泡酒の定義:麦芽・ホップ比率が3分の2以下で、副原料が3分の1を超えるもの

実はこの副原料が健康の観点から注目されています。なぜなら発泡酒及び新ジャンル(第三のビール)、ノンアルコールビールテイスト飲料に副原料として使われる糖類に2015年から遺伝子組み換え不分別(GM)由来の原材料が使われるようになっているからです。

遺伝子組み換えの食品に関しては一時期注目を集めていましたが、喉元過ぎれば熱さを忘れるている部分もありそうです。そこで改めてビールという視点から遺伝子組み換え農作物について考え直したいと思います。

まず2015年の毎日新聞の記事を抜粋したいと思います。

ビール類のうち「発泡酒」や「新ジャンル」(いわゆる第3のビール)にも遺伝子組み換えトウモロコシ由来の原料(液糖)が使われるようになってきた。この原料は国の安全審査を通っている。組み換え作物由来の液糖は既に清涼飲料水に使われ、使用対象が拡大した形だ。製造過程で組み換え作物の遺伝子が残らないため表示義務はない。ただ消費者団体は組み換え作物由来で表示義務のない商品でも「消費者が選択できる表示ルール」を求めている。
こうした使用状況に変化がないかを調べるため10月に国内ビール大手4社にアンケートした。4社はアサヒビール、キリンビール、サッポロビール、サントリービール。4社ともこれまでは非組み換えトウモロコシ由来のコーンスターチからできた液糖を使っていたが、発泡酒と新ジャンルでは、不分別に切り替えていた。その時期について、サントリーは「今年2月製造分から」、アサヒは「3月から」、キリンは「今年に入って順次」。サッポロは時期を明らかにしていない。
理由は

「長期的に安定して供給を確保する必要があるため」(サントリー)

「不分別液糖については清涼飲料や他の食品でも広く使用され安全上の問題も起きておらず、今後の安定調達も考えた」(アサヒ)

と説明している。ただし、ビールは、原料にトウモロコシを使わないサントリーを除き、3社とも「非組み換え品」を使用している。

この結果を見てしまうと発泡酒や第3のビールでは遺伝子組み換えの農作物が使われていることは間違いなさそうです。アルコールも体に悪いのにもかかわらず、遺伝子組み換え農作物まで使っていたらダブルパンチになりかねません

遺伝子組み換えの原料に関しては健康に悪いという報告もあれば、健康に影響を及ぼさないのという報告もあります。また発展途上国などの食糧事情も関係してきて、必ずしも単純に善悪で語れない部分もあるようです。

それでも動物研究では遺伝子組み換え作物を食べ続けることによる発がん性の可能性が指摘されたり、遺伝子組み換え作物が自生することによって生態系が変わってしまう可能性も示唆されています

遺伝子組み換えの食品を食べたくないと考えていても、現状では国の安全審査さえ通っていれば製造過程で組み換え作物の遺伝子が残らない場合は表示義務がなくなります。そのためラベルをみても遺伝子組み換えの原料を使っているかどうかの見分けがつかない現実があります。

DRピエールが考える最大の問題点はここにあります。日本では表示義務の対象となるのは、大豆、とうもろこし、ばれいしょ、菜種、綿実、アルファルファ、てん菜やパパイヤ8種類の農産物と、これを原材料とする33種類の加工食品だけです。ちなみに実は日本に輸入される4作物(トウモロコシ、米、小麦大豆)のうち遺伝子を組み換えた作物は全体の8割を近く占めているとも言われています。

そのため本当に無意識なうちに遺伝子組み換え農作物を用いた食品を摂取している可能性があります。例えば今日話題にした発泡酒だけではなく、大豆油コーン油菜種油、コーンフレーク、水飴、異性化液糖、デキストリン、砂糖などの身近な食材にもそう言った可能性があります。

実際に大豆油の70%近くが遺伝子組み換え農作物を使ったものではないかという意見が消費者庁でも議論されるなどお料理をされていて見えないところに使われていることは多いと思われます。また表示義務がある33種類の加工食品であっても食品の全重量に占める割合が上位3位までで、かつ全重量の5%以上でなければ表示する義務もありません。

それだけではなく、遺伝子組み換えの農作物の混入率が5%以下であれば、「GMでない」「GMでないものを分別」と表示することを認めています。この混入率も日本は甘くて韓国は3%、オーストラリア・ニュージーランドが1%EU0.9% です。また表示も分かりにくいのも問題です。遺伝子組み換えの農作物が5%以上の場合は「GM不分別」と表示されているので、はっきりしないというのが消費者の気持ちではないでしょうか?

幸いなことにこのことは消費者庁は年内に食品表示基準を改め、2023年から改定し是正される予定です。

また遺伝子組み換えの農作物を食べて飼育された動物を食べた影響などはまだまだ未知数で将来になってみないとその影響はわかりません。

今後予定されている増税に際して、あるテレビでは家計を助けるために食費を下げるべきとコメントしてるファイナンシャルプランナーがいました。しかし安い食品には遺伝子組み換え農作物が混入している可能性は今回のビールに限らず起こり得ます。将来の健康についても良く考えて選択をして頂ければと思います。

DRピエールが発泡酒やノンアルコールビールを飲まない理由についてお伝えしました!

 

大友博之 渋谷セントラルクリニック エグゼクティブ ディレクター

日本抗加齢医学会専門医、日本麻酔科学会専門医、日本医師会認定産業医、国際抗加齢医学会専門医(WOSAAM)

免疫栄養学に基づいた食事指導、ホルモン補充療法、再生医療、運動療法を取り入れた新しい統合医療をベースにした診療で著名人にもファンが多い。最先端の西洋医学に通じている一方で、「鍼治療の魔術師」と呼ばれるほどハリ治療の名手で東洋医学にも造詣が深い。

またワインと健康食の愛好家しても名高く、ボルドー、ブルゴーニュ、シャンパーニュのワイン騎士団から名誉ある「シュバリエ」を叙任されているほか、料理芸術や食の楽しみといった価値感を共有する美食家が集う日本ラ・シェーヌ・デ・ロティスール協会の「オフィシエ」でもある。

この記事を書いた人

関連するカテゴリ

おすすめ記事

関連する記事はこちら