幕の内弁当からリン酸塩問題を考える

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幕の内弁当は歌舞伎の幕間に由来しているのをご存知でしたか?
歌舞伎は舞台と舞台の合間に「幕の内」あるいは「幕間」と呼ばれる休憩時間があります。その間に食べるから幕の内弁当と言うのですね。

あるニュースによるとコンビニで人気のお弁当は50代以上は「幕の内弁当」、40代以下は「からあげ弁当」とお年を召した方には大人気なようです。
幕の内弁当はおかずの種類が多いのでヘルシーな印象がありますが、果たしてそうなのでしょうか?

幕の内弁当の具材はフライや唐揚げ、焼き、野菜の煮物、漬物にご飯だと思います。
まずフライや唐揚げは時間が経つと酸化してしまうので、焼きや煮魚を選べるなら選びたいですね。
またフレッシュなお野菜が少ないので、ビタミンが不足しがちなことも頭に入れておくべき。

食物繊維も不足しがちです。お野菜の煮物やお漬物に含まれてい食物繊維では、健康寿命を伸ばすためには不十分です。揚げ物に由来する脂分や糖化ストレスをデトックスするにも量がもっと欲しいところ。

そしてミネラル。幕の内弁当はおかずにミネラルが少ないので、ご飯が雑穀米であれば迷わずそれを選ぶことをお勧めいたします。そもそも雑穀米を選んでいるようなお弁当は世の中の状況を考えると良心的だと思うので、そういった観点からお弁当を選んでも良いですね。

それでは今日の本題。
加工食品や食品添加物が多い幕の内弁当を食べているとリン酸塩という問題によってミネラルを身体から奪われるかもしれないという新たな問題が生じます。

リン酸塩について聞きなれない方も多いと思いますが、以下のような用途で使われています。

・インスタントの麺類や生中華麺では麺に柔らかさと弾力を出すこと

・ハムやソーセージ、かまぼこ、はんぺんなどでは、たんぱく質の保水性や結着性を高めて食感を良くすること 

プロセスチーズやプリンなどの乳製品の乳化剤

コーラなどの清涼飲料水の酸味料

・菓子類の膨張剤

こうした食べ物や飲み物を多く摂っているとリンの過剰摂取が問題になります。

リン酸塩のうちオルトリン酸塩は、骨やの主な構成成分であるカルシウムと結びつき排出してしまうため、過剰に摂取するとカルシウムの吸収が抑制され、骨や歯の形成を妨げる恐れがあります。また骨粗しょう症の原因ともなります。

リン酸塩のうち重合リン酸塩は体内で吸収できず、排出される際に体に必要なミネラルと結びついて排出されてしまうため、ミネラルの不足を招く原因となります。
また、腎臓や大動脈などを石灰化して病気を引き起こしてしまう可能性があります。
また亜鉛などの微量元素(ミネラル)を吸着して排出してしまうので、知らず知らずのうちに味覚障害が起きていることも少なくありません。

コンビニのラベルを見てもリン酸塩なんて書かれていないと思われる方もいらっしゃると思いますが、そこには表示の落とし穴があります。
複数のリン酸塩が一つの加工食品中で使用されていたとしても、添加物名の記載が義務付けられている成分ではないため、個別の成分名は表示されていないことがあります。

「ph調整剤」、「結着剤」、「乳化剤」、「酸味料」などの用途名のみが一括表示されていることがあるので、この表示があった時はよくよく注意しないといけません。

このように見た目だけではリン酸塩の有無はわかりません。
外で食品を選ぶ時はラベルを見る癖をつけて、余計なものを身体に摂らないようなクセをつけたいですね。

今日も最後までご覧くださいましてありがとうございました。
もう少しリン酸塩についてお知りになりたい方はこちらをご覧ください。

 

大友博之 渋谷セントラルクリニック エグゼクティブ ディレクター

日本抗加齢医学会専門医、日本麻酔科学会専門医、日本医師会認定産業医、国際抗加齢医学会専門医(WOSAAM)

免疫栄養学に基づいた食事指導、ホルモン補充療法、再生医療、運動療法を取り入れた新しい統合医療をベースにした診療で著名人にもファンが多い。最先端の西洋医学に通じている一方で、「鍼治療の魔術師」と呼ばれるほど鍼治療の名手で東洋医学にも造詣が深い。

またワインと健康食の愛好家しても名高く、ボルドー、ブルゴーニュ、シャンパーニュのワイン騎士団から名誉ある「シュバリエ」を叙任されているほか、料理芸術や食の楽しみといった価値感を共有する美食家が集う日本ラ・シェーヌ・デ・ロティスール協会の「オフィシエ」でもある。

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