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仲間を幸せにするタイのハーブソーセージ

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加工肉、リン酸塩、亜硝酸ナトリウムのこと

いきなり真面目な話で恐縮ですが、数年前に世界保健機関(WHO)が発がん性のリスクが高いと発表したこともあり、患者さんには食べ過ぎ注意とご説明することが多いベーコンやソーセージ、ハムなどの加工肉

もともと加工肉は賞味期限を延ばしたり味を変えるために加工されたもので、主な手段は燻製や塩漬け、保存料の追加など。
気を付けたいのはもちろん、添加物の内容です。

加工肉に使われることが多いリン酸塩は、多量に摂取するとカルシウムの吸収が阻害され、骨粗しょう症のリスクが高くなります。
リン酸塩は添加物を含むほとんどの食品に含まれているので、気づかずたくさん摂取している恐れが!

また食品添加物の中でも危険性が指摘されるのが発色剤として使用されている「亜硝酸ナトリウム」。
鮮やかな赤やピンク色を保つために使われますが、急性毒性が強く、肉に多く含まれている物質と胃の中で結合して、強い発がん物質に変化するから。


でもたまには塩分も低くて、保存料も少ない健康的で美味しいソーセージが食べたいという欲求に駆られます!

安心安全!手作りソーセージ

加工肉は無添加の表示があるものを選ぶというのもひとつの手ですが、やはり一番安心安全なのは自分で作ること
と言っても腸詰にするのは大変なので、今回は詰めないソーセージ。しかもハーブたっぷりの健康バージョンをクリニックの仲間とBBQをした時にご披露しました。

中身のレシピはタイ北部のチェンマイで最も有名な食べ物の一つである、ぐるぐるハーブソーセージと同じ。
レモングラスやこぶみかんの葉、生姜パクチーの根っこなどを刻んだものがたっぷりと入っていて、焼いていると辺りがハーブの芳香に包まれるほど。

レモングラスは抗菌・抗ウィルス作用が強く、インフルエンザや風邪の予防に良いとされているほか、免疫力につながるビタミンCを多く含みます。
また、パクチーに含まれるβ-カロチンは胃腸の粘膜が細菌やウィルスに感染するのを防いでくれるので、風邪予防や免疫力アップにはさらに効果的。
根の部分には特に薬効が高いとされているので、捨てずに大事にね。

ひき肉にこれらのハーブを練り込んで、バナナの葉っぱで包んでフライパンで蒸し焼きにすると葉っぱの甘い香りも加わってまるでアロマソーセージのよう。
バナナの葉が手に入らなければ、蓮の葉など包んでも雰囲気が出ますよ。

もう半分は、お水で戻した生春巻の皮で包んでこんがりと焼き上げると、これまた腸詰と違って、もちっとした新食感でクセになります。

お子様と一緒に作って包むのも楽しい自家製ソーセージ。
夏休みの思い出づくりにもお酒の友にもおすすめです!

Dr.ピエールのタイハーブソーセージ  医食同源レシピ

【材料】
豚肉 : 500g

(A)
レッドカレーペースト : 大さじ1強
ナンプラー : 大さじ1
オイスターソース : 大さじ1
ターメリック粉 : 小さじ1

(B)… 全て粗いみじん切りにする
こぶみかんの葉 : 10枚
万能ネギ : 1/2カップ
レモングラス : 3本
パクチー : 1束
バナナの葉
生春巻の皮(水にサッとくぐらせる)

【作り方】
①豚肉を包丁で叩いてひき肉にし、(A)の調味料を加えてよく練り込み、全体に馴染んだら(B)の野菜を加えてさらによく練る。
②少量をラップに包んで加熱し、味を見て足りなければ調味料を足す。
③半分は好みの大きさや形にしてバナナの皮に包み、フライパンに乗せて蓋をして弱火で10分加熱。中まで火が通っていれば完成。
④残りは生春巻の皮に乗せて両端を折り込みながら巻き、同じようにフライパンで蒸し焼きにする。

 

〔大友“ピエール” 博之〕

日本のみならずロサンゼルス、フランクフルト、香港、バンコクに拠点を持ち、個別化医療(precision medicine)を実践している。免疫栄養学に基づいた食事指導、ホルモン補充療法、運動療法を取り入れた治療で定評がある。

・ 医師 日本抗加齢医学会専門医 / 欧州抗加齢医学会専門医 / 日本麻酔科学会専門医
・ 西洋薬膳研究家、シェフドクターピエールとしても活躍中
 渋谷セントラルクリニック代表
 一般財団法人 日本いたみ財団 教育委員

・ 料理芸術や食の楽しみといった価値感を共有するシェフなどが集う日本ラ・シェーヌ・デ・ロティスール協会のオフィシエ
・ ワインにも造詣が深く、フランスの主要産地から名誉ある騎士号を叙任している。
 シャンパーニュ騎士団 シュヴァリエ / ボルドーワイン騎士団 コマンドリー /ブルゴーニュワイン騎士団 シュヴァリエ 

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