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成長ホルモンを増やす食事、減らす食事について

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今日はヒト成長ホルモン(HGH:以下成長ホルモン)とお食事の関係についてお話ししたいと思います。

成長ホルモンは脳の中心に位置する下垂体で作られます。 成長ホルモン産生のピークは思春期の急激に成長する時期に一致しているのでヒト成長ホルモンと呼ばれるようになりました。

実際には歳をとってもヒト成長ホルモンが分泌されなくなるわけではなく、 睡眠時、特に寝起き前によく分泌されることが知られています。

ヒト成長ホルモンは小人症の子供に対する治療によく用いられるほか、下垂体疾患、放射線治療後や HIV の患者さんに使われることがあります。

また成長ホルモンはアンチエイジングや再生医療の世界で若さのマスターホルモンとして注目されています。実際に成長ホルモンの分泌を維持することはサルコペニア(加齢に伴って生じる骨格筋量と骨格筋力の低下)や認知症を防ぐことが知られています。またコレステロール中性脂肪などの高脂血症を防いだり狭心症や脳梗塞などの動脈硬化を防ぐことも注目されています。

このように身体や心の機能を維持するのに必要不可欠な成長ホルモンですが、多くの場合は年をとるにつれて分泌する量が減ってきます。結果として様々な老化症状があらわれるようになります。

・慢性の疲労がたまりやすくなる
・筋量が減りやすくなる、筋量が増えにくくなる
・脂肪がたまりやすくなる

・やる気がなくなりやすくなる
・社交性が低下してしまう
・集中力やスタミナが低下してしまう

・免疫力が低下してしまう
・創傷治癒(傷が治りにくくなる)
・睡眠のクオリティーが下がってしまう

これらは成長ホルモンが分泌されていないことの症状でもあります。こういった症状は誰しもが経験したことがあると思いますが、成長ホルモンが十分に分泌されていないことで実感しやすくなります。また不摂生なライフスタイルは成長ホルモンの分泌を妨げることにもなりますので、一度成長ホルモンが減り始めると悪循環に陥ってしまう可能性もあります。

実際にピエールが外来していると80歳代でも20歳代のような成長ホルモンの濃度がある方もいれば、20歳代でも80歳並みの成長ホルモンしかない人もいます。お話を聞いている限りでは、こうした差はライフスタイルが一つの大きな要因になっていると思われます。

今日はこの中から成長ホルモンを上げるために何をするべきかを主にお食事の観点からお話ししたいと思います。

〚DR.ピエールが考える成長ホルモンをあげるのに良いお食事〛

1. 十分なカロリーを取ること

2. 加工食品をとらないこと。食材調味料は手をかけていなければいないほどよく、お肉野菜フルーツお魚などをシンプルに調理することがお勧めです。人によってはこれを原始人ダイエットとかパレオダイエットということもあります。

3. 十分なアミノ酸を取るべきだと思います。特にグルタミンやアルギニンは老若男女に必要なアミノ酸だと思いますので、場合によってはサプリメントで摂取するということも考えたらよろしいかと思います。

4. 可能な限りオーガニック、有機栽培のお野菜やお肉をお召し上がりください。お魚も養殖よりは天然のものを食べる方が成長ホルモンを増やすという観点からはおすすめです。

十分なカロリーを取るべきですが、太ってしまうと成長ホルモンの分泌が不十分になることから太り過ぎには要注意です。また成長ホルモンを分泌するのは夜間であることから、質の良い睡眠を十分にとることは成長ホルモンを分泌するには必要不可欠です。

〚DR.ピエールが考える成長ホルモンをあげるためには避けるべきお食事〛

1. アルコールお酢(ヴィネガー)カフェインの多い飲み物

2. お砂糖お菓子、クッキー、パン、シリアルなど

3. 乳製品

は避けた方が良いでしょう。

それ以外にも長期間にわたるストレスや喫煙は成長ホルモンを分泌するという観点からはお勧めできません。またマリファナなどの違法薬物を使うことは言うまでもなく成長ホルモンを増やすという観点からはお勧めできません。

DR.ピエールは成長ホルモンはアンチエイジングの総合得点だと考えます。もし外来で測定して成長ホルモンの濃度が低いようであれば、ライフスタイルを見直すことが必要不可欠だと思います。

大友博之 渋谷セントラルクリニック エグゼクティブ ディレクター

日本抗加齢医学会専門医、日本麻酔科学会専門医、日本医師会認定産業医、国際抗加齢医学会専門医(WOSAAM)

免疫栄養学に基づいた食事指導、ホルモン補充療法、再生医療、運動療法を取り入れた新しい統合医療をベースにした診療で著名人にもファンが多い。最先端の西洋医学に通じている一方で、「鍼治療の魔術師」と呼ばれるほど鍼治療の名手で東洋医学にも造詣が深い。

またワインと健康食の愛好家しても名高く、ボルドー、ブルゴーニュ、シャンパーニュのワイン騎士団から名誉ある「シュバリエ」を叙任されているほか、料理芸術や食の楽しみといった価値感を共有する美食家が集う日本ラ・シェーヌ・デ・ロティスール協会の「オフィシエ」でもある。

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