適度な摂取がポイント「コーン油」 こーんゆ

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コーン油はトウモロコシの胚芽から搾油された植物油です。トウモロコシからコーンスターチ(トウモロコシでんぷん)を分離する際に作られる胚芽を原料にしています。ほのかな甘みと芳しい風味が特徴です。大豆油などと組み合わせてサラダ油としても利用されるほか、マーガリンやスナック菓子などの製造にも用いられます。

栄養素

コーン油に含まれる脂肪酸のおよそ6割はリノール酸です。リノール酸はn-6系脂肪酸に属する脂質で、体内で効率的にエネルギーを産生するほか、細胞膜や生理活性物質(ホルモンや神経伝達物質など)の材料となります。

日本人の場合、リノール酸は普段の食生活で不足することは少なく、むしろ摂り過ぎると脂質異常症や動脈硬化のリスクを高める恐れがあるため、注意が必要です。

また、コーン油には過酸化脂質の発生が少ないオレイン酸や、高い抗酸化作用を持つビタミンEが含まれており、適度に摂取すれば、健康に役立つ効果を引き出すことができます。

コーン油の主な栄養成分(100gあたり 大さじ78杯)

・エネルギー……921kcal
脂質……100g
・飽和脂肪酸……13.04g
一価不飽和脂肪酸……27.96g
多価不飽和脂肪酸……51.58g
・脂肪酸総量……92.58g
n-3系脂肪酸……0.76g
・n-6系脂肪酸……50.82g
・オレイン酸……28000㎎
・リノール酸……51000㎎
・α-リノレン酸……760㎎
ビタミンE……17.1㎎
ビタミンK……5㎍

効能・効果

動脈硬化の予防

コーン油に含まれるリノール酸には、血液中のLDL(悪玉)コレステロール値を低下させ、高血圧や脂質異常症、動脈硬化を予防する効果があります。ただし、同時にHDL(善玉)コレステロールも減少させるため、過剰に摂取すると健康への効果を半減させる場合があります。

美肌効果

リノール酸には肌の乾燥を防ぎ、潤いを保つ保湿効果があります。肌細胞の老化や皮膚の炎症を抑える働きもあるため、美肌効果が期待できます。

抗酸化作用

コーン油に含まれるビタミンEは、体内で生じる有害な活性酸素を抑制します。細胞の酸化を防ぐとともに血液中の過酸化脂質を減少させます。血液をサラサラにして、糖尿病や脂質異常症、高血圧を防ぐ効果につながります。また、アンチエイジングにも役立ちます。

東洋医学的側面

・寒熱:平(体を温めも冷やしもしない)
・昇降・収散・潤燥:潤(体を潤す性質)
・臓腑:脾、肺
・五味:甘(補い滋養する作用)
・毒性:無毒

腸を潤し、便通を改善します
のどや粘膜の乾燥を防ぎます

栄養素を上手に摂るための保存方法と調理方法

コーン油は、淡黄色で熱を加えると香ばしい香りが立ち、唐揚げやコロッケなど揚げ物の風味を引き立てます。他の油に比べ、酸化しにくいため、調理後の食材の劣化を抑えます。

揚げ物などに使用した後は、酸化を防ぐために油が熱いうちに油濾し器で濾過した後、冷ましてから密閉容器に入れ保存します。(やけどに注意)一度でも使用した油は傷みやすくなるため、使いまわしは23回までにしてできるだけ早めに使い切りましょう。

保存の際はキャップをしっかり閉め、直射日光を避けて常温で保存します。キャップが空いていると酸化が進むだけでなく、虫などが混入することがあります。

コーン油はスナック菓子の製造にも用いられており、油っこくなくサラッとした食感が特徴です。カロリーも高く、つい食べ過ぎてしまうことが多いため注意しましょう。

 

【監修】 大友博之 渋谷セントラルクリニック エグゼクティブ ディレクター

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