⑥ 乳がん アルコールはダメなの?
Dr.大友(渋谷セントラルクリニック エグゼクティブ ディレクター)
乳がんの一つのリスクファクターとしてアルコールが挙げられると思います。まずはじめにアルコールは乳がんには良くないんですか。
Dr.川村(川村病院副院長)
そうですね。欧米と日本で若干見解が違うんですけども。アルコールに含まれるアセトアルデヒド、エタノールが発がん性があるということで欧米ではアルコールは乳がんを発現しやすくする。
Dr.大友
助長する。
Dr.川村
助長すると言われています。ただ日本ではそこまではっきりとしたエビデンスはないんですけど。
Dr.大友
因果関係があまり無い。
Dr.川村
と言われていますね。
Dr.大友
なるほど。Dr.ご自身のお考えではどうなんですか。
Dr.川村
私がお酒を飲むかということですか。
Dr.大友
Dr.川村がお酒を飲むのは知っているけれど。。。
乳がんの方で再発予防という観点から、ワインなりビルなり日本酒をおすすめなさるかどうかという話です。
Dr.川村
お酒も嗜好品ですので、乳がんになるからお酒を飲んではいけないということではないと思います。個人的にはお酒は楽しみの一つですので、なんでもどうですけど摂りすぎないということが大事ですね。
Dr.大友
摂り過ぎの定義って因みにどのくらいから摂り過ぎなんですか。
Dr.川村
どうでしょう?人それぞれによってお酒の強さも違いますけれども。私は肥満が乳がんのリスクになりますので、肥満にならない程度のお酒の摂取でいいのではないかなと思います。
Dr.大友
でもお酒飲んでて食事食べない痩せてる人もいますよね。
Dr.川村
いますね。
Dr.大友
痩せていたらお酒をいくら飲んでもOK?
Dr.川村
何事も摂り過ぎないことが大事じゃないかなと思います。
Dr.大友
一般論としては、女性においてはワイングラス一杯以上はお酒の過度の飲酒となっていると思います。そうするとワインとしても一杯以上飲むことは良くないってことですよね。
Dr.川村
ワイン一杯で満足できる方と満足できない方がいると思いますけど、少なくともワイン一杯以内であれば差し支えないんじゃないかなと思います。
Dr.大友
赤ワインとか白ワインとかねシャンパンとか色々あると思うんですけど。例えばワイン、一般的には赤ワインが健康にいいなんて話もありますけど。先生はどうお考えですか。
Dr.川村
赤ワインはポリフェノールという点があると思うんですけど。それは先生の方が詳しいかも知れません。
Dr.大友
アルコールは乳がんに良くないというアメリカやヨーロッパの報告の中にも、赤ワインは一杯くらいまでなら乳がんになる確率を増やさないという話もあります。アルコールの何の成分が理由なのかは分かりませんけども、そういったポリフェノールなどの要素もあるのかなとは個人的には感じています。
結論としてアルコールは極力飲まない方がいいけども、人と触れ合うためのソーシャルな活動をするために少し少量ならOKということでよろしいですか。
Dr.川村
いいと思います。
Dr.大友
はい。でも本当は極力飲まない方がいい。
Dr.川村
飲み過ぎないということですね。
Dr.大友
飲む時は赤ワイン。
Dr.川村
はい。
Dr.大友
一杯まで。
Dr.川村
一杯までということですね。
大友博之 渋谷セントラルクリニック エグゼクティブ ディレクター
日本抗加齢医学会専門医、日本麻酔科学会専門医、日本医師会認定産業医、国際抗加齢医学会専門医(WOSAAM)
免疫栄養学に基づいた食事指導、ホルモン補充療法、再生医療、運動療法を取り入れた新しい統合医療をベースにした診療で著名人にもファンが多い。最先端の西洋医学に通じている一方で、「鍼治療の魔術師」と呼ばれるほど鍼治療の名手で東洋医学にも造詣が深い。
またワインと健康食の愛好家しても名高く、ボルドー、ブルゴーニュ、シャンパーニュのワイン騎士団から名誉ある「シュバリエ」を叙任されているほか、料理芸術や食の楽しみといった価値感を共有する美食家が集う日本ラ・シェーヌ・デ・ロティスール協会の「オフィシエ」でもある。
川村雅彦 川村病院副院長
日本外科学会 専門医、日本消化器外科学会 専門医指導医、日本消化器内視鏡学会専門医指導医、日本消化器病学会 専門医、消化器がん治療認定医、日本乳癌学会 認定医、日本医師会認定産業医
‘診断から治療、看取りまで’をモットーにどんな時も患者さんの心に寄り添える医師を心がけています。