① 緩和ケア 悪液質は3つの段階に分けられる

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【Dr.大友とDr.川村の対談動画はこちらをclick】

Dr.大友(渋谷セントラルクリニック総院長)
今日は川村病院の副院長Dr.川村雅彦に緩和ケアの栄養療法についてお伺いしたいと思います。
ひとことで緩和といってもがんから様々な病気まであるわけなんですけれども、特に先生の専門であるがんについてお伺いしたいと思うんですが。

Dr.川村(川村病院副院長) 
よろしくお願いします。

Dr.大友
ブラックジャックですごく痩せてしまった患者さんのことを「カヘキシーだ!」と描いてあったと僕の中で記憶があります。ところで今でも外科の先生はカヘキシーって言ってたりするんですか。

Dr.川村 
そうですね。カヘキシーと言ったり悪液質と言ったり、そのような表現で私たちは話しています。

Dr.大友 
それでは悪液質で統一しますね。
一言で悪液質といってもがんによっていろんな症状を経過を辿るんだろうと思います。具体的に悪液質というのはどういうもののことを言うのか教えていただけますか。

Dr.川村 
悪液質とはがんの進行に伴って食事が摂れなくなって筋肉量が減って体重減少が引き起こすような病態のことです。

Dr.大友
筋肉量が減って体重が減ってしまうってことが基本的には大きな概念ということですか?

Dr.川村 
そういうことですね。

Dr.大友 
悪液質による体重減少は時期によって色々と状況が違うと思いますが、程度でステージを分けたりすることはありますか。

Dr.川村 
一般的に大体6か月から1年かけてもともとあった体重の10%ぐらいの体重が落ちてしまうことは悪液質の定義の中のひとつであるかと思います。

Dr.大友
10%というのはかなりの体重現象ですね。

Dr.川村 
そうですね。

Dr.大友 
それは時期によってステージとかって言うのがあったりするんですか。つまり悪液質のすごくひどい状況とか、要するにもう少し前の状況とかそういうのはありますか。

Dr.川村 
悪液質の前の段階を前悪液質と言っています。
その悪液質を越してもう戻れないような状況になった場合のことを不可逆的悪液質と呼んでいます。

Dr.大友 
前悪液質があって、悪液質があって、不可逆的な悪液質になる。

Dr.川村 
その3段階にわけることに
なっています。

Dr.大友 
わかりました。
では悪液質がどのようにして起こるのかということを、この後引き続きDr.川村にお伺いしたいと思います。

 

大友博之 渋谷セントラルクリニック エグゼクティブ ディレクター

日本抗加齢医学会専門医、日本麻酔科学会専門医、日本医師会認定産業医、国際抗加齢医学会専門医(WOSAAM)

免疫栄養学に基づいた食事指導、ホルモン補充療法、再生医療、運動療法を取り入れた新しい統合医療をベースにした診療で著名人にもファンが多い。最先端の西洋医学に通じている一方で、「鍼治療の魔術師」と呼ばれるほど鍼治療の名手で東洋医学にも造詣が深い。

またワインと健康食の愛好家しても名高く、ボルドー、ブルゴーニュ、シャンパーニュのワイン騎士団から名誉ある「シュバリエ」を叙任されているほか、料理芸術や食の楽しみといった価値感を共有する美食家が集う日本ラ・シェーヌ・デ・ロティスール協会の「オフィシエ」でもある。

川村雅彦 川村病院副院長
日本外科学会 専門医、日本消化器外科学会 専門医指導医、日本消化器内視鏡学会専門医指導医、日本消化器病学会 専門医、消化器がん治療認定医、日本乳癌学会 認定医、日本医師会認定産業医

‘診断から治療、看取りまで’をモットーにどんな時も患者さんの心に寄り添える医師を心がけています。

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