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フルーツとゴムのアレルギーを放置すると手術室で大変なことに?

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ラテックスフルーツアレルギー症候群って聞いたことがありますか?

ラテックスはゴム手袋、ゴム風船、コンドームなどに含まれるゴムの一種のことです。
このゴムにアレルギーがある人はフルーツ、特にトロピカルフルーツにアレルギーがあることが多いのです。
またその逆もしかりでトロピカルフルーツにアレルギーがある人はラテックスアレルギーがあることが多いと言われています。

ここで言うトロピカルフルーツとは、バナナキウイフルーツアボカドパパイヤグレープフルーツメロンイチジクなどのことを言います。
またフルーツだけでなくクルミトマトジャガイモなどの野菜でもラテックスに反応することがあるので要注意です。
こうしたフルーツにアレルギーがある人がラテックスにもアレルギーがある確率は30~50%程度と言われています。

 

ラテックスフルーツアレルギーを話題にしたのには理由があります。
それは手術の際にショック状態を含めた重篤なアレルギーを引き起こしてしまう可能性があるからです。

他のアレルギーと同様にラテックスアレルギーがひどくなると、ラテックスを含むゴムに触れただけでじんましん、ときにはアナフィラキシーショックと呼ばれる重篤なアレルギー反応を来すことがあります。

特にラテックスアレルギーがある人は手術を受ける際には注意が必要です。
ラテックスにアレルギーがある場合は手術室のあらゆるゴム、例えば手術用の手袋、駆血帯などなどををラテックスの入っていないゴムに変更する必要があります。
そのため対策をしないで手術をすると、手術中に命に関わるようなひどいアレルギー反応を起こすことになりかねません。

ラテックスを含むゴム製品に接触する機会が多いと、それだけ発症のリスクが高まると言われています。
つまり、医療関係者で1日に何度もゴム手袋をする人や食器をゴム手袋をつけて洗っていたりする方ではリスクが高まると言われており要注意なわけです。

欧米では手術の際にはラテックスが含まれていないゴムだけを使っている手術室が多いのですが、日本ではそこまで対策されていないのも事実。
ですから患者さんが自分自身でラテックスフルーツアレルギーに対して注意して、もしラテックスについて手術の前に聞かれることがなければ、ご自身で医師や看護師さん対して伝えることは自分自身の身を守ることになります。
ラテックスアレルギーはラテックス抗体とHev b 6.02抗原に対する特異抗体を調べることで診断することができます。

先ほど述べたようにラテックスや特定のフルーツに接触する機会が多ければ多いほど発症のリスクが高まります。
もしこうしたフルーツを頻繁に食べる方は調理方法を工夫することでアレルゲンを減らすことを考えていただきたいと思います。

DR大友が考えるフルーツのおすすめの食べ方としては、調理する時に生ではなく火にかけること。
こうすることによってアレルギー反応は起きにくくなることが知られています。
例えば生のトマトでは反応しなくても、フライパンで熱したトマトソースやケチャップでは反応が起きにくくなります。つまり加熱処理をすることが重要なのですね。
ゴム手袋をつけたときの痒みやフルーツを食べたときの痒みは決して軽視しないでください。

今日も最後までご覧いただきありがとうございました。

 

〔大友“ピエール” 博之〕

日本のみならずロサンゼルス、フランクフルト、香港、バンコクに拠点を持ち、個別化医療(precision medicine)を実践している。免疫栄養学に基づいた食事指導、ホルモン補充療法、運動療法を取り入れた治療で定評がある。

・ 医師 日本抗加齢医学会専門医 / 欧州抗加齢医学会専門医 / 日本麻酔科学会専門医
・ 西洋薬膳研究家、シェフドクターピエールとしても活躍中
渋谷セントラルクリニック代表
・ 一般財団法人 日本いたみ財団 教育委員
・ 一般社団法人食の拠点推進機構 評価認証委員/食のプロフェッショナル委員

・ 料理芸術や食の楽しみといった価値感を共有するシェフなどが集う日本ラ・シェーヌ・デ・ロティスール協会のオフィシエ
・ ワインにも造詣が深く、フランスの主要産地から名誉ある騎士号を叙任している。
 シャンパーニュ騎士団 シュヴァリエ / ボルドーワイン騎士団 コマンドリー /ブルゴーニュワイン騎士団 シュヴァリエ  

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