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喉と熱に効くから風邪をひいたら「なし(梨)」 なし

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日本梨は赤梨(幸水、豊水など)と青梨(二十世紀、菊水など)の2つに分かれます。

品種によって時期が異なり、また、全国各地で栽培されるため旬の時期が長くなるのも特徴です。早い時期のものは「幸水」で7月下旬から出荷され、「幸水」は9月上旬まで。「豊水」、「二十世紀」は9月いっぱいまでが旬となります。食べ頃の美味しい旬の時期と言えるのは8月から9月にピークを迎え10月頃となります。なしの旬は8~9月です。

栄養素

なしは水分が80%以上を占め、その他にはカリウムと食物繊維が豊富に含まれています。ただし、ビタミン類はほとんど含まれていません。

なしの主な栄養成分(可食部280g当たり 約1個分)

・エネルギー・・・120kcal
カリウム・・・392mg
食物繊維・・・2.5g

効能・効果

のどの不快症状の改善:のどの乾燥や空咳などに効果的です。熱を下げる働きもあるため、風邪を引いてしまった人には特におすすめです。

疲れの軽減:クエン酸やアスパラギン酸など、スポーツをしたあとの疲労回復に効果のある栄養素が含まれています。

東洋医学的側面

・寒熱:涼(穏やかに体の熱を冷ます)
・昇降・収散・潤燥:散(気を体の外へ出す作用)・潤(体を潤す性質)
・臓腑:肺・胃
・五味:甘(補い滋養する作用)・酸(収斂、免疫力を高める作用)
・毒性:無毒

栄養素を上手に摂るための保存方法と調理方法

ずっしりと重く、軸が太めでしっかりしたものを選びましょう。横にやや広がっているもののほうが甘いと言われています。保存するときはビニール袋に入れて冷蔵庫の野菜室に入れてください。

なしは皮をむくと酸化しやすいため、生で食べるときは直前に皮をむきます。時間をあけるときはレモン汁などをかけておきましょう。

なしが悪くなりそうなときはミキサーにかけて煮詰め、シロップ状態にして保存しておくと便利です。ジャム代わりにしたり、風邪のひき始めになめたりと色々な方法で楽しめます。寒性の食材なので特に冷え性の方は生よりも煮て食べることをおすすめします。また、胃腸が弱っている方はしょうがを入れて煮ると良いでしょう。

 

【監修】 大友博之 渋谷セントラルクリニック エグゼクティブ ディレクター

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