⑥ クローン病では脂肪摂取量の30グラムを超えてしまうと再発率が上がる

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Dr.ピエール大友 (イシペディア編集長) 
クローン病の時にどんなものを食べない方がいいのか。恐らく学会の指針などもあると思うのですが、ここでもっとプライベートな感じで意見も含めてお話をお伺いしたいと思います。

まず飲み物ではどんなものがよろしいですか?やはりアルコールはダメですか?

Dr.菰池(たまちホームクリニック院長) 
活動性がある時はアルコールはやめた方がいいでしょうね。

Dr.ピエール大友 
他はどうですか?

Dr.菰池 
乳製品も基本的にはやめたほうがいいかと思います。

Dr.ピエール大友 
カフェインのコーヒーはどうですか?

Dr.菰池 
どこに病変があるかにもよりますが、上の方であればあるほどアルコールもそうですし、カフェインもやめた方がいいです。

Dr.ピエール大友 
上というのは十二指腸

Dr.菰池 
うですね。あるいは口内炎の時ですね。

Dr.ピエール大友 
甘い清涼飲料などはどうですか?

Dr.菰池 
それもやめた方がいいでしょうね。

Dr.ピエール大友 
清涼飲料水の糖分が遺伝子組み換えのものを使っている話もありますよね。

Dr.菰池 
そうですね。

Dr.ピエール大友 
そういうものはどちらかと言えば好ましくないですか?

Dr.菰池 
好ましくないと思います。

Dr.ピエール大友 
それはクローン病の患者さんが急激に増えていることとも関係ありますか?

Dr.菰池 
患者さんの数が
増えていることと関連しているかは難しいところですね。いずれにしても体に害になりそうなものを炎症がひどい時、つまりクローン病の活動期にあえて摂る必要はないと思います。ただ調子の悪い時ほど水分を摂らないといけないでしょうから、お茶にはカフェインが入っていますのでお水にして頂くのが宜しいかと思います。

Dr.ピエール大友 
クローン病の患者さんが主食で何を食べない方が良いかを教えていただけますか?

例えば、一般的には白いお米よりも玄米の方が腸内環境には良いと言う話もあると思いますが、クローン病の時は玄米より白米の方が良いかも知れないと聞いたことがあります。

Dr.菰池 
そうですね。ざっくりとしたお話をすると腸を働かさせ過ぎない方がこの病気に関しては良いわけです。おっしゃる通りで、本来は食物繊維の豊富な玄米などは腸にはいいと言われますけども、活動性のあるクローン病の患者さんの場合は食物繊維は避けて頂いた方が無難だと思います。

Dr.ピエール大友 
なるほど。食物繊維があることにより余計に腸の蠕動(ぜんどう)を助けてしまう。

そういう観点から言うとキヌア全粒粉のパスタ、パン、雑穀米などは腸の負担になるかもしれない。

Dr.菰池 
そうでしょうね。

Dr.ピエール大友 
少なくとも不溶性食物繊維はクローン病の活動期には避けた方がいいし、仮に寛解期であっても腸にいいからと食物繊維を摂ろうとしても逆効果の可能性もあるということですね。

Dr.菰池 
そうですね。寛解期であれば一日一食くらい食物繊維を食べると言うことは良いのかもしれませんが、それが良いものだと思って毎食食べるようにシフトするのは良くないと思います。

Dr.ピエール大友 
これからは自分の遺伝子や状態にあった食べ物を食べるという概念になっていくと思うので、なんか合わないなと思ったらやめた方がいいと言うことですね。

Dr.菰池 
そうですね。

Dr.ピエール大友 
ほかはどうですか?乳製品は避けた方が良いと言うお話でしたがそれは理由があるのですか?

Dr.菰池 
大腸には乳製品がいいと言われる方もいらっしゃいますが、脂肪分や食物繊維、乳糖。特に乳糖不耐症ですね。クローン病の方、あるいは潰瘍性大腸炎の方で乳糖不耐症とまではいかなくても乳糖不耐状態になる方もいらっしゃると言われていますので、そういう方は乳製品を避けて頂いた方がいいかと思います。

Dr.ピエール大友 
乳糖不耐状態とは乳糖がうまく分解できなくなってしまうと言うことですか?寛解期になってもそれは引き続く可能性もあるということですか?

Dr.菰池 
再発するトリガー(きっかけ)になってしまう可能性はゼロじゃないかなとは思います。

Dr.ピエール大友 
乳製品がよろしくない理由として脂肪分と乳糖と言うお話で、脂肪分は20グラム台ぐらいに抑えておいた方がいいと言う話を聞いたことがあります。

Dr.菰池 
そうですね。これもあくまで学会レベルの統計ですが1日の脂肪摂取量の30グラムを超えてしまうと再発率が上がると言われていますので、できれば20グラムぐらいが推奨されています。

Dr.ピエール大友 
脂肪の量という観点からするとアーモンドミルクの方がいいかもしれませんね。

Dr.菰池 
そうですね。

Dr.ピエール大友 
その一方でナッツはあまり良くないと言う話ですが、それは生のままだと繊維質が多いからよろしくないイメージですか?

Dr.菰池 
その通りです。

Dr.ピエール大友 
ココナッツもだめ。

Dr.菰池 
ナッツ類は避けた方がいいでしょうね。

Dr.ピエール大友 
それは不溶性の食物繊維が多いから。

Dr.菰池 
はい。

Dr.ピエール大友 
ナッツ類がダメだと間食に何を食べたらいいかと言う話になりますが、フルーツはどうですか?

Dr.菰池 
フルーツも生は避けた方がいいと言われています。

Dr.ピエール大友 
それは消化に負担がかかるからと言うことですね。

一般的にはがんの時はブルーベリーがいいと言う話でしたが、クローン病ではあまりよくないと言う話ですね。皮はついているし生だし。

Dr.菰池 
そうですね。胃腸に負担をかけると言う意味では避けた方がいいでしょうが、寛解期であれば多少は構わないと思います。活動性がある時はやめた方がいいでしょうね。

Dr.ピエール大友 
活動性がある時や寛解期でもお腹が痛く調子が悪い場合はやめておいた方がいいと言うことですね。

Dr.菰池 
はい。再発のトリガーになってしまいます。

Dr.ピエール大友 
ほかはどうですか?は全般的にダメですよね。

Dr.菰池 
1日20グラムと言うことですから油を通しているものを食べると結構20グラムなんてすぐですからね。

Dr.ピエール大友 
サラダよりは火も入っている煮物。

Dr.菰池 
そうですね。

Dr.ピエール大友 
そうするとオリーブオイルだから良いと言うよりは避けて頂いた方がいいかもしれない。

Dr.菰池 
無難でしょうね。

Dr.ピエール大友 
エゴマオイルはどうですか?炎症を抑えるのではないかと思います。

Dr.菰池 
油の種類によりいろいろとあると思いますが、エゴマオイル、オリーブオイルも理論上はいいと思います。何グラムを使うかお料理の時に実際難しいと思います。選べるのであればそういものを選んで頂いた方がいいと思います。

Dr.ピエール大友 
油と言う観点でエゴマオイルがいいと言うのはオメガ3不飽和脂肪酸が多いからだと思いますが、お魚がいいと言うことですよね。蛋白質として。逆に言うとお肉はダメと言うことですか?

Dr.菰池 
活動性のある時はやめておいた方がいいですね。

Dr.ピエール大友 
活動性がある時はお肉はダメ。

Dr.菰池 
先ほど少しお話しましたけど、蛋白に対しての抗原もありましたので避けられるのであれば避けた方がいいですね。

Dr.ピエール大友 
油っぽいのは特にやめた方がいいですよね?

Dr.菰池 
油を使わないで摂れるようなものであればいいかもしれません。

Dr.ピエール大友 
美味しいけど油をたっぷり使った目玉焼きとかはダメですか?

Dr.菰池 
良くはないでしょうね。

Dr.ピエール大友 
そうするとお魚中心で白米で野菜は食物繊維の少ないもの。水溶性食物繊維はいいですよね?

Dr.菰池 
はい。

Dr.ピエール大友 
そうするとどんなお野菜がよろしくないかと言うことを考えたいと思うんですが、一般的にはアブラナ科のお野菜はいいと言うことが大腸がんの対談の時にも言われてますが、クローン病の時はどうですか?

Dr.菰池 
アブラナ科はあまり良くないんでしょうね。

Dr.ピエール大友 
アブラナ科と言うとブロッコリーキャベツカリフラワー、スプラウトなどはよろしくないですか。

Dr.菰池 
一般的にはよろしくないと言われています。

Dr.ピエール大友 
あえて食べる必要はない。ほかでははどうですか?

Dr.菰池 
豆類も一般的に胃腸に負担がかかりますものね。

Dr.ピエール大友 
そうですよね。ガイドラインでは狭窄している時はダメと言う話ですよね。

Dr.菰池 
そうですね。食物繊維がダメな理由がいくつかありますが、クローン病の場合はその狭窄性病変、詰まって狭くなっているところに繊維質のあるものが集まってしまい、集まったものを通そうとして腸が動かされて結局痛みの原因にしかねないです。

Dr.ピエール大友 
なるほど。そうすると皮ごと健康法と言われている一般的には皮ごと食べた方が抗酸化物質やフィトケミカルも多いと言う話もありますけど、クローン病の方は逆に皮を取り除いて、ミキサーにしっかりかけてコールドプレスジュースのようにして繊維が残らない形で摂った方が良い。

Dr.菰池 
胃腸には優しい。

Dr.ピエール大友 
なるほど。わかりました。
このあとはどんなものを食べたらいいのか、サプリメントを飲んだ方がいいのかの是非についてお伺いしたいと思います。

 

大友博之 渋谷セントラルクリニック エグゼクティブ ディレクター

日本抗加齢医学会専門医、日本麻酔科学会専門医、日本医師会認定産業医、国際抗加齢医学会専門医(WOSAAM)

免疫栄養学に基づいた食事指導、ホルモン補充療法、再生医療、運動療法を取り入れた新しい統合医療をベースにした診療で著名人にもファンが多い。最先端の西洋医学に通じている一方で、「鍼治療の魔術師」と呼ばれるほど鍼治療の名手で東洋医学にも造詣が深い。

またワインと健康食の愛好家しても名高く、ボルドー、ブルゴーニュ、シャンパーニュのワイン騎士団から名誉ある「シュバリエ」を叙任されているほか、料理芸術や食の楽しみといった価値感を共有する美食家が集う日本ラ・シェーヌ・デ・ロティスール協会の「オフィシエ」でもある。

菰池信彦 たまちホームクリニック院長

日本内科学会認定医、日本消化器病学会認定消化器病専門医、日本消化管学会認定指導医、日本肝臓学会肝臓専門医、日本ヘリコバクターピロリ学会認定感染症認定医、日本がん治療認定医機構がん治療認定医、日本カプセル内視鏡学会認定医、日本医師会認定産業医

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