ナトリウム塩とカリウム塩の違い

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編集部W
本日はについて教えてください。

Dr.大友 (イシペディア編集長)
はい。塩には2つのタイプがありまして、食塩の主成分になっている塩化ナトリウムとその他にもう1つ塩化カリウムがあります。

編集部W
塩化ナトリウムはよく耳にします。

Dr.大友
はい。塩化ナトリウムは一般的な食塩です。食塩は主成分の塩化ナトリウムの他に、カルシウムマグネシウムなどのミネラルを含んでいます。

編集部W
それでは塩化ナトリウムついて教えてください。

Dr.大友
塩化ナトリウムは細胞の外部に存在するものです。体液バランスを助け、神経の興奮伝達を支えるという働きがあります。

編集部W
塩化ナトリウムのバランスを崩すとどのようなことになりますか。

Dr.大友
塩化ナトリウムが不足すると胃の痙攣、無気力、食欲喪失をもたらします。また続けて過剰摂取をしたときは高血圧の原因となります。塩化ナトリウムの1日の必要量は500mgですが、摂取量は3g以下に制限することとされています。

編集部W
不足も摂りすぎもどちらにも注意ということですね。

Dr.大友
はい。特に摂りすぎについては普段から気にされている方も多いと思います。そのような方は食品の中に含まれる塩化ナトリウムの量にも注意するようにしていただきたいです。

編集部W
食品の中に、ですか。

Dr.大友
はい。通常私達が摂収する食物(バン、野菜など)の中に平均的な食塩摂収量のおよそ60%が含まれているといわれています。

編集部W
調味料としてではなく、食品の中に含まれている塩分を知らないうちに摂取しているのですね。

Dr.大友
そうです。そのため食事や料理で食塩を使用する際にもそのことを念頭に入れて味付けをしていただきたいと思います。

編集部W
なるほど。

Dr.大友
他にも香辛料の効いた食物を好む人は塩を過剰にする傾向があり、そのため高血圧になりやすいといわれています。

編集部W
塩の摂取はうまく制限するよい方法はありますでしょうか。

Dr.大友
食物の塩味の度合いは身についた味覚なので、ご自身でいくらか我慢して塩味の少ない食物を食べていくことで次第に慣れることができます。

編集部W
意識的に塩味の少ない食物に慣れる努力が必要ということですね。

Dr.大友
はい。その他の工夫として、食物の塩分を葉味や香辛料で置き換えるということができます。タマネギニンニク、食酢、カレー粉などの無塩の素材で味を深めることによって塩の摂取量を減らすことができます。
オレガノ、バジリコ、パセリトウガラシ、タイムなどの香りづけもよいですね。

編集部W
塩味の少ない薬味などに置き換えていくということですね。

Dr.大友
はい、塩化ナトリウムは多く摂取しがちですのでぜひそのように工夫してください。

編集部W
はい、自分でもできそうな気がしてきました。
次は塩化カリウムをお願いします。

Dr.大友
塩化カリウムは、細胞内に存在するカリウム元素を供給します。それはタンパク質合成を含め多くの反応を促進します。細胞の全体性を支え、神経興奮伝達と筋収縮を助けます。

編集部W
具体的にはどのようになるでしょうか。

Dr.大友
塩化カリウムが欠乏しますと虚弱、麻痺、錯乱を起こします。カリウム過剰は吐き気を起こすとともに、筋力を弱めます。カリウムの欠乏は厳しく制限された食事をしている時や、利尿剤を用いている時に起こることが多いです。

編集部W
塩化カリウムは食材から摂取する塩ですか。

Dr.大友
はい。カリウムは新鮮な野菜、豆類果物に多く含まれています。具体的にはバナナモモナシジャガイモなどですね。

編集部W
塩化カリウムの摂取について気を付けることはありますか。

Dr.大友
調理方法に気をつけていただきたいと思います。お野菜は煮ることでカリウムの多くを失っていまうからです。

編集部W
なるほど。

Dr.大友
また塩化カリウムは1日約4gほど必要とされています。

編集部W
塩化ナトリウムと塩化カリウムについてよく分かりました。
ありがとうございました。

 

〔大友“ピエール” 博之〕

日本のみならずロサンゼルス、フランクフルト、香港、バンコクに拠点を持ち、個別化医療(precision medicine)を実践している。免疫栄養学に基づいた食事指導、ホルモン補充療法、運動療法を取り入れた治療で定評がある。

・ 医師 日本抗加齢医学会専門医 / 欧州抗加齢医学会専門医 / 日本麻酔科学会専門医
・ 西洋薬膳研究家、シェフドクターピエールとしても活躍中
渋谷セントラルクリニック代表
・ 一般財団法人 日本いたみ財団 教育委員
・ 一般社団法人食の拠点推進機構 評価認証委員/食のプロフェッショナル委員

・ 料理芸術や食の楽しみといった価値感を共有するシェフなどが集う日本ラ・シェーヌ・デ・ロティスール協会のオフィシエ
・ ワインにも造詣が深く、フランスの主要産地から名誉ある騎士号を叙任している。
 シャンパーニュ騎士団 シュヴァリエ / ボルドーワイン騎士団 コマンドリー /ブルゴーニュワイン騎士団 シュヴァリエ     

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