マグネシウム まぐねしうむ

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マグネシウムとは歯や骨の形成に必要な栄養素であり、人体に欠かせないミネラルの一つです。大人の人間の体には約20~28gほど含まれています。

マグネシウムの存在

カルシウムはそのほとんどが骨にあるとされていますが、マグネシウムは体内で約50%~60%がリン酸塩や炭酸塩として骨に沈着しています。カルシウムと深く関係しており、骨の健康を維持する役割を果たします。骨に沈着していない残りの40%は筋肉や脳、神経に存在しています。細胞内液に主に存在しますが、細胞外液にも1%未満存在するとされています。マグネシウムは生合成反応や代謝反応には欠かせない必須ミネラルです。
様々な代謝に関する働きがあるため生命維持に欠かせない栄養素と言えます。

マグネシウムの吸収と働き

食品から摂取したマグネシウムは約20%~70%が小腸で吸収されます。その後全身の組織に運搬され利用されると言われています。
腸管からの吸収率は摂取量が多い場合低下し、逆に少ない場合は高くなるとされています。そして最終的に腎臓から排泄されると言われていますが、吸収や代謝の全貌は現段階で解明されていません。

マグネシウムは300種類以上の酵素反応に補酵素としての役割を担っております。栄養素の合成や分解、神経伝達にも関係しています。

マグネシウムの主な働きはタンパク質の合成やエネルギー代謝、筋肉の収縮、血圧調整、体温調整、血糖値の調整などがあります。

カルシウムとともに筋肉の収縮を制御し、血管を拡張させ血圧を下げる、血栓を作りにくくする作用があります。
また、心臓病、高脂血症の予防、糖尿病、血糖値の改善する作用があることが知られています。
特に糖尿病の予防と改善効果には注目が集まっています。インスリン抵抗性を改善させることにより糖尿病の治療を促進するものと考えられています。

マグネシウムの欠乏症と過剰症

マグネシウムはカルシウム同様骨に貯蔵されていますが、カルシウムとは違い不足しても骨から取り出す働きが弱い傾向にあります。カルシウムと違い体内にある量も少なく、摂取量が少なければ不足しやすい特徴があります。マグネシウムの欠乏は主に排泄不足、摂取不足、吸収不良、排泄増大などが原因として考えられます。
大量にアルコールを摂取することでマグネシウムの排出量が増えることから不足してしまうこともあります。

マグネシウムが欠乏すると人体に様々な悪い影響が起こります。疲れやすくなる、集中力が低下する、慢性疲労、鬱状態、食欲不振、循環器系の疾患などがその主な症状と言えます。

カルシウムの摂取量に対してマグネシウムの摂取量が不足することで様々な疾患に繋がるとされているので、そのバランスは非常に重要となります。
カルシウムとマグネシウムのバランスが崩れるとイライラの原因になるとも言われています。

反対にマグネシウムを過剰に摂取したことによる人体への影響も様々あると言えます。マグネシウムは食事での摂取で過剰摂取になることはほとんどありません。
仮に食事によるマグネシウムの過剰摂取があったとしても、腸管からの吸収が抑制され下痢などによって速やかに排泄されます。
しかしサプリメントや下剤、便秘薬などにもマグネシウムは含まれていますので、多量摂取をした場合高マグネシウム血症になる危険性があります。
高マグネシウム血症になると吐き気や喉の渇き、下痢などの症状のほか、酷い場合は昏睡や心臓麻痺になってしまう可能性もあります。
マグネシウムは人体に欠かせないミネラルではありますが、サプリメントや薬などによる服用の際は医師の指示に従い服用することが重要となります。

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