情報高分子の構造と機能 じょうほうこうぶんしのこうぞうときのう

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そもそも「高分子」とは、原子(元素)がたくさん結合してできた分子のことです。一般的には原子の数が千個以上結合したものを指すことが多いようです。高分子はその由来によって分類すると、自然界の産物の「天然高分子」、人工的に合成された「合成高分子」、天然高分子から科学的に誘導された「半合成高分子」の3つになります。また高分子を構成する分子(元素)によって「有機高分子」と「無機高分子」にも分けられます。さらに、天然の有機高分子は生物によって合成されるので「生体高分子」とも呼ばれます。

DNA(デオキシリボ核酸)は、地球上のほぼすべての生物の遺伝子情報を担う生体高分子です。遺伝情報は、このDNAがどのように並んでいるかで表されています。DNAは、デオキシロボースという糖、リン酸、4種の塩基(アデニン、チミン、シトシン、グアニン)で構成されて、二重らせんの構造となっています。遺伝子とは、DNAの中で遺伝子情報を持っている部分を指します。生物の遺伝的な形質を規定する因子で、遺伝情報の単位です。ヒトの遺伝子の数は約22,000個と言われています。この遺伝子には、目や肌の色、髪などの形状的な情報のほか、近視や病気、肥満などの体質的情報も含まれています。いわばDNAは遺伝情報の伝達の原本ともいえるものです。

もうひとつ遺伝情報の伝達に必要な高分子が、RNAです。RNAは、遺伝情報を部分的コピーして、リボゾームへと伝え、実際に新しい細胞(たんぱく質)を作り出す役割を担っています。RNAにはtRNA、mRNA、rRNAの3種類があり、mRNAはDNAから塩基配列を読み取りリボソームに送る役、tRNAはリボソーム内でmRNAの運んできた塩基配列に従ってタンパク質を合成します。rRNAの働きは、リボソーム内でのタンパク質合成を触媒していると考えられています。

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