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ポリフェノールの力で疲労回復「カカオ」 かかお

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カカオとはカカオの木の果実の中にある種子のことです。主に西アフリカや中南米の高温多湿の地域で栽培されています。

カカオの実(カカオビーンズ)を炒って種皮と胚芽を除き、残った胚乳と呼ばれる部分をすりつぶしたものがカカオマス、さらに脂肪分(ココアバター)を分離して粉末状にしたものがココアです。また、カカオマスにココアバター砂糖ミルクなどを加えたものがチョコレートになります。

カカオ豆自体は硬い殻に覆われているため、そのままでは食べられません。

カカオの収穫期は、年に2回(5月と10月頃)の地域が多いです。 

DR大友はカカオ70%以上のビターなチョコレートをコーヒーと一緒に楽しむことでリフレッシュすることが多いです。最近はミルクではなく、ソイミルクやアーモンドミルクで作られた乳糖不耐症の人向けのビーガンチョコレートもお目見えしているので有難い。

栄養素

カカオはココアバターと呼ばれる脂質が多く、比較的高カロリーな食品です。カフェインも多く含まれており、疲労回復や眠気覚ましとしても利用されます。登山やマラソンなど体力を消耗する時にチョコレートを食べるのも原料となるカカオの特徴を活かしています。

また、カカオポリフェノールと呼ばれる独自の成分には強い抗酸化作用があり、近年ではワインポリフェノールとともに注目される成分です。カカオポリフェノールには免疫機能を調節したり、精神をリラックスさせたりする働きもあります。

その他にも、ビタミンB群、E、カルシウム、マグネシウム、鉄、亜鉛、カリウムなどのビタミンミネラルが多く含まれ、非常に栄養価が高いといえます。

カカオの主な栄養成分(可食部100gあたり カカオ豆100~120粒程度)

・ エネルギー……657Kcal
・ 水分……1.0g
・ タンパク質……11.6g
・ 脂質(ココアバター)……54.5g
・ デンプン……6.1g
・ 糖質……0.3g
カリウム……925㎎
・ リン……407g
・ マグネシウム……315㎎
・ カルシウム……83㎎
・ ……7㎎
・ 亜鉛……5㎎
・ ……3㎎
・ 食物繊維……17.2g
・ ビタミンB6……85㎎
・ ビタミンE……13㎎
・ γ‐トコフェロール……12㎎
・ タンニン酸……3.3g
・ エピカテキン……140㎎
・ カテキン……31㎎
無水カフェイン……100㎎
・ テオプロミン……1300㎎

効能・効果

活性酸素の除去、抑制:カカオに含まれるカカオポリフェノールには強い抗酸化作用があり、活性酸素を除去したり、発生を抑制したりする効果があります。動脈硬化や心筋梗塞などの予防につながります。

ストレスの緩和:カカオポリフェノールには精神をリラックスさせ、ストレスを緩和する効果があります。

血行促進:カカオに含まれるテオブロミンには体の緊張を和らげ、血行を促進する効果があります。血流が改善することにより、冷え性や肩こりなども改善します。

便秘の解消:カカオ含まれる食物繊維のリグナンには腸内環境を整える働きがあり、便秘の解消や肌荒れの改善などにつながります。

抗菌作用:カカオには抗菌成分のエピカテキンが含まれており、食中毒など細菌感染を防ぐ働きがあります。また、口腔内を清潔に保ち、歯周病を予防する効果もあります。

骨粗しょう症の予防:カカオにはカルシウムやマグネシウムが多く含まれ、骨を強くするとともに骨粗しょう症の予防につながります。 

東洋医学的側面

・ 寒熱:平(体を温めも冷やしもしない)
・ 昇降・収散・潤燥:燥(体に溜まった余分な水分を排出する)
・ 臓腑:肺、心、大腸、胃
・ 五味:甘(補い滋養する作用)、苦(気を降ろす、固める作用)
・ 毒性:無毒

気を補い、疲労を回復するとともに、動悸や精神の不安を解消します
余分な水分を排出し、むくみや便秘を改善します
精神を安定させ、血圧や体調を整えます
血の流れを改善し、動脈硬化を予防します

栄養素を上手に摂るための保存方法と調理方法

カカオは主にココアやチョコレートの原料などに使われるため、そのままの状態で利用するのは難しいでしょう。

カカオを使った食品などは密閉できる遮光袋などに入れ、直射日光を避け冷暗所や冷蔵庫などで保存します。

カカオは品種や栽培地域、栽培された年などによって、味や香り、風味が大きく異なります。最近では「高カカオチョコレート」などさまざまな商品が市販されているので、色々なカカオ食品を試してみるのも良いかもしれません。

 

【監修】 大友博之 渋谷セントラルクリニック エグゼクティブ ディレクター

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