貧血とADHDや線維筋痛症などのメンタル疾患

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1951年に日本初の血液銀行・日本ブラッドバンクが大阪に設立されました。
血液銀行といえば献血。寄付された血液からは赤血球や血小板などは作られます。ただし、貧血の程度は進んでいる人は献血することはできません。

あまり知られていないかもしれませんが、若年女性やアスリートでは貧血が少なくありません。
また現代病とされている注意欠陥多動性障害(ADHD)線維筋痛症不足やビタミン D 不足が関係しているのではないかとされています。またうつ病の重症度にも関連していることが知られています。いずれにしても鉄不足は数多くのメンタル疾患と関連していますので、常に疑ってかかる必要がありますね。

貧血の中で一番多いのは鉄欠乏性貧血といい、鉄分の不足が原因で起こる貧血です。鉄欠乏性貧血は日本人の貧血患者のうちの約7割、女性全体の約1割が該当するとされています。
原因としては十二指腸大腸の潰瘍や癌、 痔、月経や子宮筋腫などの婦人科疾患などで出血が原因でもあります。また小腸を切除することによって吸収障害が起こることもありますし、鉄分タンパク質ビタミンBの足りないお食事をするなどの偏食も鉄不足の一つの原因となります。

摂取不足による貧血の他にも、激しいスポーツをすることで大量の汗とともに鉄も失われるため鉄が不足することもあります。特に成長期の学生などの場合筋肉や血液を作るために鉄が必要とされるため、激しいスポーツをすることで貧血に繋がるリスクが高くなります。

最近話題になりましたが、激しいスポーツを行なっている場合には日頃から鉄を多く摂取することが重要と言えると思います。

貧血の症状としては以下のものがあります。
顔色が黄色っぽくなる
爪の色が白っぽくなる
・動悸
・息切れ
・めまい
・頭痛
・全身の倦怠感
・疲れがとれにくい

食品から摂取された鉄は小腸で吸収されますが、吸収率はあまり良くありません。一日1~1.5mgとごくわずかで食品から摂取した鉄の大部分は糞中にそのまま排出されると言われています。

食品に含まれる鉄はヘム鉄と非ヘム鉄に分類されますヘムとはポルフィリンと呼ばれるタンパク質の中心に含まれている鉄の化合物で、この中心にある鉄がヘム鉄です。それ以外のタンパク質に囲まれていない鉄を非ヘム鉄と言います。この二つは吸収力の高さが大きく異なります。摂取した鉄分のうちヘム鉄は10%~20%吸収され、非ヘム鉄は1%~6%吸収されます。このことからヘム鉄は吸収されやすく、非ヘム鉄は吸収されにくいことがわかります。また、ヘム鉄は非ヘム鉄に比べ胃への刺激が少ないことで知られています。

鉄はお肉などからも摂ることはできますが、オススメしたいのはやはり有名なほうれん草小松菜。いずれも旬は12月~3月で、旬のお野菜は栄養価が高く美味しいと思いますよ。

なぜお肉よりもお野菜をおすすめしたかということには理由があります。 こうしたお野菜には貧血を予防する鉄分、皮膚や粘膜を強くするβ-カロテン、白血球の働きを活発にして免疫力を高めるビタミンC、高い抗酸化作用を持つビタミンEなども多く含まれており、栄養価の高い食材といえます。ビタミンACE(エース)とも呼ばれ、老化を予防する3大ビタミンです。鉄の吸収を効率良くするためには、ビタミンCやタンパク質と一緒に摂取することが効果的とされています。そうした観点からはほうれん草や小松菜などのお野菜と赤身のお肉の組み合わせは良いと思います。

それとは反対にふすまやフィチン酸、ポリフェノールなどは非ヘム鉄の吸収を阻害するため、貧血を予防、改善したい方はその摂取量などには注意が必要と言えます。ちなみにフィチン酸は大豆に含まれていることで有名ですね。

今日は鉄不足についてお話ししましたが、鉄の過剰も肝臓を含めた臓器にはあまりありません。健康のためには、しっかりとモニタリングしながらお食事をしていただければと思います。

今日も最後までご覧いただきありがとうございました。
鉄の吸収と代謝についてお知りになりたい方はこちらをご覧ください。

 

【監修】 大友博之 渋谷セントラルクリニック エグゼクティブ ディレクター

日本抗加齢医学会専門医、日本麻酔科学会専門医、日本医師会認定産業医、国際抗加齢医学会専門医(WOSAAM)

免疫栄養学に基づいた食事指導、ホルモン補充療法、再生医療、運動療法を取り入れた新しい統合医療をベースにした診療で著名人にもファンが多い。最先端の西洋医学に通じている一方で、「鍼治療の魔術師」と呼ばれるほど鍼治療の名手でで東洋医学にも造詣が深い。

またワインと健康食の愛好家しても名高く、ボルドー、ブルゴーニュ、シャンパーニュのワイン騎士団から名誉ある「シュバリエ」を叙任されているほか、料理芸術や食の楽しみといった価値感を共有する美食家が集う日本ラ・シェーヌ・デ・ロティスール協会の「オフィシエ」でもある。

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