イシペディア > 食事学と医療の大辞典 > 食材の大事典 > 野菜の栄養素分析 > 葉もの野菜 > ビタミンとミネラルを摂るなら「ほうれん草」

ビタミンとミネラルを摂るなら「ほうれん草」 ほうれんそう

  • LINEで送る
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

ほうれん草は「緑黄色野菜の王様」といわれるほど栄養価が高い食材です。人気アニメの「ポパイ」ではほうれん草を食べると百万力のパワーを発揮するように、ほうれん草は元気が出る野菜の象徴にもなっています。

ほうれん草は通年出回っている身近な食材ですが、本来の旬は11月~2月です。どの野菜でもそうですが、旬の時期のほうが栄養価が高くなります。

 

DR大友はほうれん草とトルテリーニのパスタが大好物でしたが、乳糖不耐症になってからはバターの代わりにギー黄を使ってお料理しています。

栄養素

ほうれん草は皮膚や粘膜を強くするβ-カロテンをはじめ、ビタミンB群、ビタミンC、ビタミンE、鉄、カリウム、カルシウムなどの栄養素がバランス良く含まれています。

野菜の中でも圧倒的に鉄分が多く、鉄の吸収を促進するビタミンCや造血作用がある葉酸やマンガンなども含まれているため、貧血の予防には最適な食材です。

ほうれん草の根の赤い部分はインシュリンの分泌を促す働きがあり、血糖値の改善にも効果があります。

ほうれん草の主な栄養成分(可食部100gあたり 一束200g

エネルギー……25kcal
カリウム……490mg
・ カルシウム……69g
・ マグネシウム……40mg
・ リン……43mg
・ ……2.3mg
・ カロテン……5400μg
・ ビタミンC……30mg
ビタミンE……2.7mg 
・ ビタミンK……320μ
・ 葉酸……110μg
・ 食物繊維……3.6g

効能・効果

抗酸化作用

βカロテンには高い抗酸化作用があり、粘膜を強くして免疫力を高めます。また、ビタミンCEにはβカロテンの抗酸化力を高める働きがあります。

貧血の予防

鉄分を多く含むだけでなく造血のビタミンと呼ばれる葉酸、鉄の吸収を促進するビタミンCなどが含まれているため貧血予防には最適といえます。また、血液を増やすと免疫力が向上します。

疲労回復

ビタミンC、ビタミンK、鉄、カリウム、リジン、シスチンなどの栄養素は疲労回復や虚弱体質の改善に効果があります。

骨を丈夫にする

ほうれん草にはカルシウムが多く含まれ、成長期の発育を促進したり、骨粗しょう症を予防したりする効果があります。

便秘解消

食物繊維には便秘を改善する効果があります。また、カリウムとともに体内の毒素を排出するデトックス効果があります。

東洋医学的側面

寒熱:涼(穏やかに体の熱を冷ます)
・ 昇降・収散・潤燥:潤(体を潤す性質)・降(気を降ろす)
・ 臓腑:胃、腸、膀胱
・ 五味:甘(補い滋養する作用)
・ 毒性:なし

漢方でいう「血」を補う働きがあり、エネルギーを補充し、体力を強化します
気持ちを落ち着かせ、気の流れを良くします
肌や粘膜の乾燥を防いだり、肌の血色を良くしたりする効果があります。肌の潤いを保つ保湿効果もあります
腸の働きを改善し、整腸や便通の解消に効果があります

栄養素を上手に摂るための保存方法と調理方法

保存する場合は、湿らせた新聞紙にくるみ、立てた状態で冷蔵庫で保存しましょう。

ほうれん草の灰汁(アク)の中にはシュウ酸が含まれており、腎臓結石などの原因になるといわれています。シュウ酸は茹でるとほとんどが水に溶け出すため、アク抜きをしてから使えば過剰に心配する必要はありません。

ほうれん草に多く含まれるβ-カロテンは脂溶性のため、油を使った炒め物などに調理すると栄養素をしっかり吸収できます。

茹でる時は一度にたくさん入れるとお湯の温度が下がるため、熱湯に少しずつくぐらせるように短時間で調理しましょう。すぐに冷水で冷やせば食感が良くなり、色も鮮やかになります。

根元の赤い部分には体内の酵素を活性化させるマンガンが多く含まれるため、根元の先だけを少しだけ切って、赤い部分まで残さず食べましょう。

 

【監修】 大友博之 渋谷セントラルクリニック エグゼクティブ ディレクター

この記事を書いた人

関連するカテゴリ

おすすめ記事

関連する記事はこちら