⑥ すい臓がん 野菜やフルーツがお薦め
Dr.大友 (渋谷セントラルクリニック総院長)
すい臓がんを予防するうえにおいて新鮮なお野菜や新鮮なフルーツが大事といわれていましたが、具体的にはどんなお薦めがありますか?
Dr.菰池 (たまちホームクリニック院長)
アブラナ科のものブロッコリー、キャベツ、ケール、ほうれん草がお勧めです。お野菜はフレッシュなものが非常にいいと思います。
Dr.大友
アブラナ科のお野菜はどうしていいんですか?
Dr.菰池
糖分や脂肪分の吸収を抑えるのがまず一番でしょうし、色々な代謝がよくなるということでしょうか。
Dr.大友
代謝がよくなるというのは例えば消化吸収がスムーズにすすむということですね。腸管免疫という概念、腸の表面の免疫を、例えばアブラナ科の野菜は活性化し、高めてくれると言われていますけれど。一般的に野菜とかフルーツを食べたほうがいい理由というのはあるんですか?例えば抗酸化とか・・・。
Dr.菰池
抗酸化の作用もありますね。
Dr.大友
抗酸化、つまり体の錆びつきを抑えるのですね。あとは何かありますか?
Dr.菰池
すい臓がんに関して言えば血糖値の変動を少し抑えるとか。フルーツをいきなり食べるというのは血糖の観点からはあまり良くないかもしれませんが。ベジタブルファーストってよく言いますが食物繊維が入っているほうが血糖値の急激な上昇を抑える効果があります。そういった意味ではすい臓がんに関しては予防の効果が十分あります。
Dr.大友
食物繊維を摂ることによって血糖値の(乱高下)上がったり下がったりだとか、腸の消化吸収、排泄までのシステムをよくしてくれるとい良さがある。血糖値を乱高下するということは、すい臓がんにとって良くないということであるならば食べてはいけない、避けたほうがいいお野菜とかあるんですか?
Dr.菰池
中にはあるでしょうね。
Dr.大友
例えば・・・。
Dr.大友
すい臓に負担をかけるという意味においては血糖値を上げやすいかもしれない。
Dr.菰池
そうですね。
Dr.大友
お野菜の糖分はともかくとして砂糖もたっぷりとかは・・・良くないということですかね。
Dr.菰池
そうですね。
Dr.大友
一般的に欧米で雑穀米だったりホールグレインのパンが良いっていう話しとかは血糖値に由来していると部分があるということですかね。
Dr.菰池
私はそう思いますね。
Dr.大友
そうするとステーキ屋さんに赤身の肉で脂肪の少ないステーキを食べようとした時に野菜がいいのはわかりましたが、一日にどれぐらい食べたらいいんですか?
Dr.菰池
外国では一食当たりワンカップという風に言われています。ワンカップっていうのは難しいんですけど、自分の手のひらを合わせたぐらいを一日一回一食とっていく。つまり朝昼晩で結構な量になりますよね。
Dr.大友
フルーツはどれぐらいですか?
Dr.菰池
フルーツは一日に2カップぐらい。2回に分けるか1回にとるかは別として。
Dr.大友
そうすると、ステーキ屋さんでもしご飯を食べるとすると、小さいサラダではなくサラダは別に頼まなければいけない。ケールサラダとブロッコリーとか頼んでおいて付け合わせはおいしいけどマッシュポテトはだめですね。
Dr.菰池
マッシュポテトおいしいんですけどねえ・・・。
Dr.大友
バターも入ってるし芋だし・・・。
Dr.菰池
ステーキには合うんですけれどね。あまりこの分野では良くないと。
Dr.大友
お酒をたくさん飲みながらすい臓がんが気になるのであればちょっと避けて、むしろブロッコリーとかほうれん草を付け合わせにしたらいい。
Dr.菰池
そうですね。別に頼んだほうがいいですね。ブロッコリーとかは。
Dr.大友
サイドディッシュはブロッコリーとかほうれん草で、お酒を飲むなら極力油を使わないでということになりますね。
大友博之 渋谷セントラルクリニック エグゼクティブ ディレクター
日本抗加齢医学会専門医、日本麻酔科学会専門医、日本医師会認定産業医、国際抗加齢医学会専門医(WOSAAM)
免疫栄養学に基づいた食事指導、ホルモン補充療法、再生医療、運動療法を取り入れた新しい統合医療をベースにした診療で著名人にもファンが多い。最先端の西洋医学に通じている一方で、「鍼治療の魔術師」と呼ばれるほど鍼治療の名手で東洋医学にも造詣が深い。
またワインと健康食の愛好家しても名高く、ボルドー、ブルゴーニュ、シャンパーニュのワイン騎士団から名誉ある「シュバリエ」を叙任されているほか、料理芸術や食の楽しみといった価値感を共有する美食家が集う日本ラ・シェーヌ・デ・ロティスール協会の「オフィシエ」でもある。
日本内科学会認定医、日本消化器病学会認定消化器病専門医、日本消化管学会認定指導医、日本肝臓学会肝臓専門医、日本ヘリコバクターピロリ学会認定感染症認定医、日本がん治療認定医機構がん治療認定医、日本カプセル内視鏡学会認定医、日本医師会認定産業医