4種類のコハダで青魚アレルギーの原因に気づいた
江戸前寿司でコハダを食す
Dr.ピエールが季節ごとにお邪魔するお寿司屋さんは、いつも色々なことを教えてくれる。
江戸前寿司と言えば、酢で締められたコハダ(小鰭)が欠かせません!
こちらのお寿司屋さんでは4種類のお酢(写真の左上から時計回りに)赤酢、白酢、キビ酢、昆布締めをご用意してくださいます。
ちなみにDr.ピエールはサトウキビの酢で締めているコハダが新・触感で好み。
コハダやサバなどの青魚はDHAやEPAが豊富に含まれていて、血管の若々しさ、脳の機能を保持するのに大事だというのはご存じの通り。
ただ外来でその話をすると青魚はアレルギーがあるから食べられないと5回に1回くらい言われます。
そういうことならばとアレルギー検査をするとサバにアレルゲン(原因)がないという不思議なことが多々起こります。
アレルギーの原因とは!?
アレルギー症状の原因は人体で生成されるヒスタミン。
青魚にはヒスタミンが含まれています。
お魚の旨みのもとになるアミノ酸であるヒスチジンが化学変化を起こすとヒスタミンに変わるので、青魚を食べるとアレルギーがあると思うわけです!
特にお魚の鮮度が落ちるとヒスチジンがヒスタミンになりやすくなるので、知ってか知らずか江戸の人は足の速い(腐るのが早い)青魚を食べるためにお酢を使ったのでしょう。
現代的に解釈するならばお酢に含まれる酢酸、リンゴ酸がヒスチジンからヒスタミンにする化学反応を抑えられるからです。
青魚を食べるとお腹が痛くなったり、ゆるくなったりする人でも、アレルギーがないならキッチリとお酢で締めた青魚であればチャンスあるかもしれませんよ。
とは言っても、一度でも青魚で当たったら怖くて再チャレンジできないのも人情ってもの。
そういった場合は善玉コレステロールを見ながらサプリメントを摂ることを考えても良いかもしれませんね。
寿司いずみ
東京都目黒区下目黒6丁目6−9
〔大友“ピエール” 博之〕
日本のみならずロサンゼルス、フランクフルト、香港、バンコクに拠点を持ち、個別化医療(precision medicine)を実践している。免疫栄養学に基づいた食事指導、ホルモン補充療法、運動療法を取り入れた治療で定評がある。
・ 医師 日本抗加齢医学会専門医 / 欧州抗加齢医学会専門医 / 日本麻酔科学会専門医
・ 西洋薬膳研究家、シェフドクターピエールとしても活躍中
・ 渋谷セントラルクリニック代表
・ 一般財団法人 日本いたみ財団 教育委員
・ 一般社団法人食の拠点推進機構 評価認証委員/食のプロフェッショナル委員
・ 料理芸術や食の楽しみといった価値感を共有するシェフなどが集う日本ラ・シェーヌ・デ・ロティスール協会のオフィシエ
・ ワインにも造詣が深く、フランスの主要産地から名誉ある騎士号を叙任している。
シャンパーニュ騎士団 シュヴァリエ / ボルドーワイン騎士団 コマンドリー /ブルゴーニュワイン騎士団 シュヴァリエ