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白は殺菌・赤はポリフェノール効果の「ワイン」 わいん

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ワインはブドウを原料として発酵させた醸造酒です。
色の違いにより、白ワイン、ロゼワイン、赤ワインの3種類に大別できます。白ワインは、薄い色のブドウの果汁だけを原料としてつくられます。皮を除いているため渋みがなく、すっきりした味わいが特徴です。赤ワインは、色の濃いブドウを皮ごと用いて発酵させたもので、皮の色素により赤い色が付きます。また、果皮からタンニンなどが溶け出すため、渋みのある味わいになります。ロゼワインは、赤ワインと白ワインの中間の、淡いピンク色のワインです。濃い色のブドウを皮ごと使い発酵の途中で皮を取り除いたり、色の濃いブドウの果汁だけを原料をしたり、色の濃いブドウに白いブドウを混ぜて発酵させたりと、製造方法はさまざまです。
ワインは、一年中楽しめます。

栄養素

ワインには、アントシアニン、タンニン、レスベラトロール、カテキンなどのポリフェノールが豊富に含まれています。特に赤ワインに多く、白ワインの数倍程度含まれていますが、白ワインのポリフェノールは赤ワインのものと比べて分子量が小さいため、体に吸収されやすいという特徴があります。

ワインにはカリウムが多く含まれています。カリウムは、余分なナトリウムを排泄し、体内の水分のバランスを調節する働きがあります。また、赤ワインには、クロムやモリブデンなどのミネラルも含まれています。

ワインには、酒石酸や乳酸などの有機酸が多く含まれており、ワインの酸味やうま味に関係しています。有機酸は赤ワインに比べて白ワインに多く含まれています。

また、赤ワインには炭水化物タンパク質脂質の代謝を助けるビオチンというビタミンが豊富に含まれています。その他、赤ワインでは発酵の過程でヒスタミンやチラミンという成分が生成されることがあり、これらの成分により頭痛を引き起こすことがあります。

ワインの主な栄養成分(可食部100gあたり)

【白ワイン】
カリウム・・・60 mg
カルシウム・・・8 mg

【赤ワイン】
カリウム・・・110mg
クロム・・・2μg
モリブデン・・・1μg
ビオチン・・・1.9μg

効能・効果

血圧を下げる:ワインに豊富に含まれるカリウムが、余分なナトリウムを排出し、血圧を下げてくれます。また、カリウムの働きにより、体内の余分な水分も排出するので、むくみの解消にも効果があります。

動脈硬化を防ぐ:ポリフェノールの抗酸化作用により、コレステロールの酸化を防ぎ、動脈硬化を予防します。さらに赤ワインにはコレステロールや中性脂肪を低下させる効果のあるクロムが含まれており、動脈硬化を防ぐ効果は白ワインと比べて高くなっています。

老化を防ぐ:ポリフェノールの抗酸化作用により、体内で発生する活性酸素の働きを抑え、老化を防ぎます。

抗菌性がある:ワインに含まれるアルコールと有機酸の効果により、殺菌作用があります。特に有機酸の含有量の多い白ワインは、赤痢菌、サルモネラ菌大腸菌などの食中毒菌に効果があります。

東洋医学的側面

・寒熱:熱(体を温める)
・昇降・収散・潤燥:昇(気や熱を上昇させる)・散(気を体の外へ出す作用)
・臓腑:心・肝・脾・肺・胃
・五味:辛(発散、気を巡らせる作用)・甘(補い滋養する作用)・渋
・毒性:微毒

体のエネルギーや血を作ります
体の巡り、血液の巡りをよくします
リラックスさせてくれます
白ワインには消化作用や、殺菌効果が期待されます

栄養素を上手に摂るための保存方法と調理方法

ワインはブドウを原料としているためミネラル分を多く含有しています。ワイン自体は酸性ですが胃腸の中ではアルカリ性に働きますので、酸性の料理と一緒に摂るとバランスがよいでしょう。

 

【監修】 大友博之 渋谷セントラルクリニック エグゼクティブ ディレクター

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