枝豆とトマトが夏バテに効く
ポイントは枝豆とトマトの栄養素
外来をしていると梅雨入りして暑くて夏バテの人が続出してます!
Dr.ピエールも去年、中国の広州で暑くて倒れそうになった時にビジネスパートナーの台湾人が連れて行ってくれたお店で食した、枝豆と牛肉のトマト炒め。
このお料理のポイントは枝豆とトマト。
枝豆は糖質をエネルギーに変えるビタミンB1の含有量が野菜でトップクラスで、疲労回復や夏バテ防止に効果的。
お肉はそのまま焼いても美味しそうだけれど、お野菜摂取のために自家製トマトソースで炒め煮にしてみました。
自家製といっても完熟のトマトを切ってフライパンで加熱するだけ。極弱火というポイントさえ守れば、シンプルなのに驚くほど旨みたっぷりのソースになります。
この旨みの成分は、グルタミン酸。
トマトは野菜のなかで最も多くグルタミン酸を含みます。
そしてグルタミン酸の旨みは、お肉に含まれるイノシン酸と組み合わせることで7〜8倍に!
昆布とかつおぶしのお出汁も、昆布のグルタミン酸とかつおぶしのイノシン酸の相乗効果による旨味なのですね。
もうひとつ、トマトには老化の原因となる活性酸素を消去するリコピンが豊富。
そしてその効果を活かすのに最強のコンビが「牛肉、玉ねぎ、ニンニク」
そもそもリコピンは生で食べるよりも加熱したほうが吸収率が高いのですが、トマトを油で加熱する際に玉ねぎやニンニクを加えると、リコピンが体内に吸収されやすいかたちに変化し、牛肉の脂に含まれるオレイン酸もまた、リコピンの吸収率を上げてくれるのです!
今回は赤白2色の玉ねぎに枝豆も加えて彩り鮮やかに。
味付けは現地に忠実にアンチョビとナンプラーで、深みのあるイタリアンのような中華になりました。
この食材を食べると本当に元気になるからお試しあれ!
牛肉と玉ねぎと枝豆のトマト炒め 医食同源レシピ
【材料】
牛肉 : 200g
玉ねぎ : 1/4個…5ミリ幅にスライス
赤玉ねぎ : 1/4個…同上
ニンニク : 1片…軽くつぶす
赤唐辛子 : 1本…種を取る
茹でた枝豆 : 1/2カップ
アンチョビ : 1枚
トマトソース : トマト大1個分(6等分にしたトマトを弱火にかけたフライパンに並べ、柔らかくなるまで20分ほど加熱したもの)
(A)
オイスターソース : 大さじ1/2
ナンプラー : 小さじ1
塩胡椒 : 少々
【作り方】
① フライパンにオリーブオイルを入れて弱火にかけ、玉ねぎ、ニンニク、赤唐辛子を敷き詰める。
② その上に牛肉を並べ入れ、赤ワインを注いで蓋をする。
③ 5分ほど蒸し焼きにしたら肉だけをお皿に取り出し、玉ねぎの残ったフライパンにトマトソースとアンチョビを加えて炒める。
④ 全体がなじんだら肉を戻し入れて(A)の調味料を入れて炒め、最後に枝豆を混ぜ入れて完成。
〔大友“ピエール” 博之〕
日本のみならずロサンゼルス、フランクフルト、香港、バンコクに拠点を持ち、個別化医療(precision medicine)を実践している。免疫栄養学に基づいた食事指導、ホルモン補充療法、運動療法を取り入れた治療で定評がある。
・ 医師 日本抗加齢医学会専門医 / 欧州抗加齢医学会専門医 / 日本麻酔科学会専門医
・ 西洋薬膳研究家、シェフドクターピエールとしても活躍中
・ 渋谷セントラルクリニック代表
・ 一般財団法人 日本いたみ財団 教育委員
・ 料理芸術や食の楽しみといった価値感を共有するシェフなどが集う日本ラ・シェーヌ・デ・ロティスール協会のオフィシエ
・ ワインにも造詣が深く、フランスの主要産地から名誉ある騎士号を叙任している。
シャンパーニュ騎士団 シュヴァリエ / ボルドーワイン騎士団 コマンドリー /ブルゴーニュワイン騎士団 シュヴァリエ