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ビヤホールではなぜ枝豆とビールを呑ませるのかを考察

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江戸時代からのトレンド枝豆

こんなに暑い日はみんなでビヤホールで冷たいビール枝豆というのは夏の贅沢ですが、コロナ禍でそうもいかない今日この頃。

そもそも夏に枝豆というのは江戸時代からのトレンド。
商人が塩ゆでした枝豆を売り歩き、それをファストフードのように歩きながら食べるのが夏の風物詩だったみたい。

枝豆は大豆を未熟な状態で収穫したものなので不思議な感じですが、植物分類学上は豆類ではなく野菜類に分類されているんだって。
理由としては野菜と同じぐらいビタミン類が多く含まれているから。つまり大豆と同じように良質なたんぱく質を含むうえ、野菜としてビタミンも豊富という、いいとこどりな食材。

枝豆は疲労回復や夏バテ解消に効果的

実は医学的にも夏・枝豆・ビールというのは理にかなった取り合わせ。

枝豆はメチオニンがアルコールの分解を促して二日酔いを防ぎ、シジミにも多く含まれるオルニチンが肝臓の回復を促してくれるというなんともビール大好き人間のために生まれてきたかのような食材。

その上、疲労回復や夏バテ解消に効果的なビタミンB1の含有量が野菜ジャンルでトップクラスとくれば、お通しで枝豆が出てくる理由はより多くのお酒を飲んで欲しいという経営者の戦略なのかもとまで思えてきた。

枝豆の塩茹でも美味しいのですが、中華圏では剥いた枝豆を高菜の漬けものと炒めたものをビールと一緒によく食べます。
高菜にもビタミンB群が豊富なので、枝豆との相性はバッチリ。
また豊富な食物繊維に加えて乳酸菌による発酵効果で整腸効果もバツグンなのも嬉しい。

この量の枝豆を剥くのはなかなか大変だから、熱々を口いっぱいにほおばる幸せを噛み締めるのはレストランでの方が良いかもです!

 

〔大友“ピエール” 博之〕

日本のみならずロサンゼルス、フランクフルト、香港、バンコクに拠点を持ち、個別化医療(precision medicine)を実践している。免疫栄養学に基づいた食事指導、ホルモン補充療法、運動療法を取り入れた治療で定評がある。

・ 医師 日本抗加齢医学会専門医 / 欧州抗加齢医学会専門医 / 日本麻酔科学会専門医
・ 西洋薬膳研究家、シェフドクターピエールとしても活躍中
渋谷セントラルクリニック代表
・ 一般財団法人 日本いたみ財団 教育委員
・ 一般社団法人食の拠点推進機構 評価認証委員/食のプロフェッショナル委員

・ 料理芸術や食の楽しみといった価値感を共有するシェフなどが集う日本ラ・シェーヌ・デ・ロティスール協会のオフィシエ
・ ワインにも造詣が深く、フランスの主要産地から名誉ある騎士号を叙任している。
 シャンパーニュ騎士団 シュヴァリエ / ボルドーワイン騎士団 コマンドリー /ブルゴーニュワイン騎士団 シュヴァリエ     

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