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カニは東洋医学的には温めて食べるに限る、その理由は?

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料理と器で愉しむ

香ばしく揚げられた殻に、味噌と、焼いてほぐした身をたっぷりと乗せ、カニを丸ごと味わおうという贅沢な一皿。

こちらでは毎回器を愛でるのも楽しみのひとつだけど、このお皿でを供する洒落っ気が素敵。
個人的に感じたこのお料理のポイントはカニ味噌に火を通すことで生まれる濃い旨味。

 

カニ味噌の色

ところでカニ味噌って何なのかをご存知ない方も意外と多いのでは?
カニ味噌はもちろん味噌ではなく、肝臓と膵臓の機能をあわせ持つ、カニの内臓。
食べたものの影響を強く受けて、海藻を多く食べたカニは味噌が緑色っぽくなり、海貝類を多く食べたカニならオレンジ色っぽくなるのが面白い。
この子はきっと海藻派だったのね。

 

西洋医学的なカニの効能としては、

  • 疲労回復・滋養強壮・免疫力向上:アルギニンなどの良質な蛋白質が有効に作用します。
    善玉コレステロールを増やす:タウリンが血圧を正常に保ちます。
    免疫活性作用:カニの殻に含まれる、不溶性食物繊維のキチン・キトサンが悪玉コレステロールを下げる作用があります。
    動脈硬化や心筋梗塞の予防:含有しているビタミンB2が動脈硬化や心筋梗塞の原因の一つと言われている過酸化脂質を分解します。
    眼精疲労改善:蟹の赤い色素のアスタキサンチンが効果を与えます。

 

東洋医学的(漢方)なカニの効能としては、

  • 寒熱:寒(体の熱を冷ます)
    昇降・収散・潤燥:降(気を降ろす)
    臓腑:腎、肝、心
    五味:鹹(軟化させる作用)
    毒性:なし

カニは東洋医学的に、体の熱を冷ます「寒」に分類されるから、冷え性の人はお刺身よりも火を通していただく方がカラダが喜ぶと思いますよ!

天ぷら 松
京都府京都市右京区梅津大縄場町21-26

京都の食通が通う名店。各地から取り寄せた選りすぐりの素材を惜しみなく使用。先付から締めにいたるまで味はもちろん、見た目も香りも食感もすべてが最高の状態になるよう工夫されています。愛宕山や桂川の景色と絶品のお料理で、心地よい時間を過ごせます。
店内に飾られている器は、陶芸や骨董好きの人にとっても、垂涎の場所でもあります。料理と合わせてぜひ愛でてみたいところ。

 

〔大友“ピエール” 博之〕

日本のみならずロサンゼルス、フランクフルト、香港、バンコクに拠点を持ち、個別化医療(precision medicine)を実践している。免疫栄養学に基づいた食事指導、ホルモン補充療法、運動療法を取り入れた治療で定評がある。

・ 医師 日本抗加齢医学会専門医 / 欧州抗加齢医学会専門医 / 日本麻酔科学会専門医
・ 西洋薬膳研究家、シェフドクターピエールとしても活躍中
渋谷セントラルクリニック代表
・ 一般財団法人 日本いたみ財団 教育委員
・ 一般社団法人食の拠点推進機構 評価認証委員/食のプロフェッショナル委員

・ 料理芸術や食の楽しみといった価値感を共有するシェフなどが集う日本ラ・シェーヌ・デ・ロティスール協会のオフィシエ
・ ワインにも造詣が深く、フランスの主要産地から名誉ある騎士号を叙任している。
 シャンパーニュ騎士団 シュヴァリエ / ボルドーワイン騎士団 コマンドリー /ブルゴーニュワイン騎士団 シュヴァリエ     

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