タウリン たうりん

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タウリンはタンパク質が分解される過程でできるタンパク質の一種です。イカやタコなど魚介類に多く含まれていますが、人間の体内にも約60gのタウリンが存在しています。糖尿病、肥満、高血圧、脂肪肝など幅広く病気の予防や改善に役立つ栄養素です。ドリンク剤の成分としても使われています。

生理作用

タウリンは肝機能を改善させ、肝臓の解毒機能を活発にしたり、胆汁酸の分泌を促進することで脂肪の代謝を高めたりする働きがあります。また、血中のLDL(悪玉)コレステロール値を低下させ、脂質異常症の予防、改善に効果があります。

また、タウリンにはインシュリンの分泌を促進し、高血糖や糖尿病を予防する効果があります。さらに、疲労回復、心臓機能の向上、細胞の浸透圧の調整、高血圧やむくみの改善にも効果があります。その他にも視覚機能の改善、筋肉痛の改善、便秘の予防など私たちの健康を維持するために役立つさまざまな効果があります。

また、タウリンは小児の脳や神経の発達にも必要な栄養素です。近年ではアルツハイマー型認知症を改善する効果があると期待されています。

過剰・欠乏症状

タウリンが不足すると高血圧や脂質異常症など生活習慣病のリスクが高まる恐れがあります。また、肝機能が低下することにより、エネルギーの産生、脂肪の代謝、活性酸素の除去などに悪影響が起こる場合があります。

タウリンは摂取してから比較的短時間で排出されるため、過剰摂取の恐れは特にありません。

タウリンの一日当たりの摂取基準(成人男性、成人女性、摂取上限)

・成人男性……300㎎以上
・成人女性……300㎎以上
・摂取上限……特になし

タウリンを多く含む食品(食材100g当たりの含有量)

・牡蠣……1,250㎎
・サザエ……945㎎
・イカ……770㎎
・ホタテ……669㎎
・ホッキガイ……596㎎
・真タコ……593㎎
・赤貝……472㎎
・ズワイガニ……450㎎
・ヤリイカ……342㎎
・アサリ……211㎎
・真アジ……206㎎

タウリンの上手な摂取方法

タウリンは熱に弱く焼くと3割、煮ると5割ほど減少します。生牡蠣や刺身などできるだけ生で食べたほうが効果的です。また、汁ごと飲めるスープや鍋料理なども良いでしょう。

食物繊維が豊富な根菜類やキノコ類、緑黄色野菜と一緒に摂ると中性脂肪やコレステロールを低下させる働きが高まります。

二日酔いの予防にはタウリンを含む食材をみそ汁やスープなどにして、できるだけ水分をたくさん摂ると血中のアセトアルデヒド濃度を低下させる効果が高まります。

日常の食生活の中で一日一食は魚介類を食べるように心掛けましょう。

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