うるいと目玉揚げで肝臓を解毒する
卵はアミノ酸スコア満点の食材
卵は必須アミノ酸がバランスよく含まれていて、いわゆる’アミノ酸スコア’は100点満点という優等生な食材。
アミノ酸の中でも必須アミノ酸‘メチオニン’を他の食品に比べてすば抜けて多く含んでいる。
メチオニンは肝臓でアルコールの分解や老廃物や毒素を排泄にも役立つから本当は毎日でも食べたい。
といっても毎回同じ食べ方は少し飽きてしまうのでバリエーションが必要だ。
そこで東南アジアの目玉焼きが活躍する。
言葉をもっと正確に使うのであれば”目玉揚げ”。
あちらでは大量の油を中華鍋で煙が出るほど熱し、その中で卵に油を回しかけながら加熱する。
この方法だとカリカリの白身部分と野菜やハーブを合わせて楽しみ、次に半熟の黄身を崩してソースのようにトロリと絡ませて2つの味を同時に楽しめるのが嬉しい。
医食同源的目玉焼きのオイルは??
ただし、油は良質なものを使いたいところ。
ココナッツオイルなら脂質の約60%が中鎖脂肪酸なので体内での燃焼効率が高く、脂質でありながら肥満の原因になりにくい。
コレステロールや中性脂肪を減らす働きもあるし、ココナッツのほのかな風味でよりアジアっぽさも感じられるからパーフェクト。
ナンプラーと卵黄が混ざったソースには少し苦味や青さのあるお野菜がよく合うので、今回はトレビスとウルイを。
ウルイは山菜の中で、ビタミンCがもっとも豊富で抵抗力を強める効果があり、食物繊維もたっぷり。
アク抜きも不要で生でシャキシャキと食べられるから忙しい時に重宝する。
実は卵は’ほぼ’全ての栄養素が含まれていることから完全栄養食とも言われていますが、足りないのがビタミンCと食物繊維。
季節の山菜を加えることで本当の ‘完全栄養サラダ’ になったわけ。
ブロッコリーやカボチャなどもビタミンCと食物繊維を共に多く含むので、オリーブオイルベースでナンプラー、お醤油、アンチョビを使って温野菜サラダにするのもオススメですよ。おうちにあるお野菜と卵1つで立派な完全栄養食になるオススメレシピです!
タイ風目玉焼きサラダ 医食同源レシピ
【材料】
卵 : 1個
トマト : 1個
トレビス、うるい : 適量
アボカドオイル : 大さじ3
(A)
ナンプラー : 大さじ1
レモン汁 : 大さじ1
トマトの絞り汁 : 小さじ1
赤唐辛子 : 1/2本…種を抜いて小口切り
ニンニク : 1/2片…みじん切り
【作り方】
① 全ての野菜を食べやすい大きさに切る。
② フライパンにアボカドオイルを温め、卵を割り入れる。白身部分にお玉で油をかけながら火を通す。(黄身は好みの加減でよいが、半熟にするとソースのように絡むのでおすすめ)
③ ボウルに野菜と(A)の材料を入れて良く混ぜ、お皿に盛って目玉焼きを乗せる。
※黄身を固めに仕上げた場合は、目玉焼きも4等分ぐらいに切り分けて野菜と共にドレッシングで和えても。
※山菜に限らず、お好みのお野菜でお試しください。
〔大友“ピエール” 博之〕
日本のみならずロサンゼルス、フランクフルト、香港、バンコクに拠点を持ち、個別化医療(precision medicine)を実践している。免疫栄養学に基づいた食事指導、ホルモン補充療法、運動療法を取り入れた治療で定評がある。
・ 医師 日本抗加齢医学会専門医 / 欧州抗加齢医学会専門医 / 日本麻酔科学会専門医
・ 西洋薬膳研究家、シェフドクターピエールとしても活躍中
・ 渋谷セントラルクリニック代表
・ 一般財団法人 日本いたみ財団 教育委員
・ 料理芸術や食の楽しみといった価値感を共有するシェフなどが集う日本ラ・シェーヌ・デ・ロティスール協会のオフィシエ
・ ワインにも造詣が深く、フランスの主要産地から名誉ある騎士号を叙任している。
シャンパーニュ騎士団 シュヴァリエ / ボルドーワイン騎士団 コマンドリー /ブルゴーニュワイン騎士団 シュヴァリエ