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ケトン体とビタミンEでアンチエイジング「ココナッツオイル」 ここなっつおいる

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ココナッツオイルは、ココヤシというヤシの一種から採取されるです。ココヤシの果実がココナッツで、内側にある胚乳と呼ばれる白い部分を搾って獲れるのがココナッツオルです。豊かな風味があり栄養も豊富です。美容と健康に多彩な効果があり、万能のオイルともいわれます。

栄養素

ココナッツオイルは中鎖脂肪酸という成分を多く含むのが特徴です。中鎖脂肪酸は吸収・分解のスピードが速く、脂質でありながら肥満の原因になりにくく、コレステロール値や中性脂肪値を下げる働きがあります。

また、ココナッツオイルには老化を引き起こす活性酸素を除去する効果や脳を活性化する働きなどがあり、優れたアンチエイジング効果を発揮します。また、ココナッツは口から摂取するだけでなく、肌に塗っても安心で美肌効果も得られます。

ココナッツオイルの主な栄養成分(100gあたり)

・エネルギー……920kcal
脂質……100g
・飽和脂肪酸……90g
一価不飽和脂肪酸(オレイン酸)……6.58g
多価不飽和脂肪酸(リノール酸)……1.5g
ビタミンE(トコフェロール)……0.33㎎

効能・効果

ダイエット効果

ココナッツオイルに含まれる脂質(脂肪酸)のおよそ60%が中鎖脂肪酸です。中鎖脂肪酸は飽和脂肪酸の一つですが、分子量が小さいため、吸収・分解が早く、体内での燃焼効率が高い性質があります。脂肪になりにくく肥満を予防するとともに、コレステロールや中性脂肪を減らす働きがあり、ダイエットに効果的です。

アンチエイジング

ココナッツの主成分・中鎖脂肪酸が肝臓で分解されて作られるケトン体は、体内で発生する有害な活性酸素を除去する力を高める作用があります。活性酸素は細胞の老化の原因となるため、ココナッツオイルを摂取することでアンチエイジング効果が期待できます。
また、ココナッツオイルに多く含まれるビタミンEは抗酸化作用が高く、活性酸素を抑制し、細胞の老化を防ぐ働きがあります。

ホルモンバランスを整える

ココナッツオイルには、女性ホルモンの“エストロゲン”の元となるプレグネノロンという物質が含まれています。女性ホルモンのバランスを整え、PMSや更年期障害を緩和するとともに、自律神経のバランスを整え、血流を改善したり、精神を安定させたりする効果もあります。

便秘の改善

ココナッツオイルに含まれるラウリン酸という成分には、腸内の善玉菌を増やし、悪玉菌を抑制する働きがあります。腸内環境を整えることで、便秘や下痢が解消され、快便を促します。また、便秘を解消することで、肌荒れや吹き出物の予防にもつながります。

免疫力を高める

ココナッツオイルに含まれるラウリン酸は、体内でモノラウリンという成分に変化します。モノラウリンには抗菌作用、抗ウイルス作用があり、細菌やウイルスが体内に侵入するのを防ぎます。また、免疫力を高め、感染症などの病気に罹りにくい体質作りに役立ちます。

認知症の予防

ココナッツオイルは、脳のエネルギー源となるケトン体の働きによって、脳の機能が活発となるためアルツハイマー型認知症を予防する効果があると考えられています。また、脳の血流を改善し、脳血管障害性認知症に対する効果も期待されています。

東洋医学的側面

・寒熱:温(体を緩やかに温める)
・昇降・収散・潤燥:潤(体を潤す性質)
・臓腑:肺、胃、脾、大腸
・五味:甘(補い滋養する作用)、酸(収斂、免疫力を高める作用)
・毒性:無毒

代謝を促進し、血流を改善します
血の巡りを高め、余分な水分を排泄します
腸を潤し、便通を改善します
気を高め、体力を強くします

栄養素を上手に摂るための保存方法と調理方法

1日に大さじ2杯を目安としてココナッツオイルを摂取することで、体の代謝が良くなり、太りにくく痩せやすい体質に変わっていきます。
ただし、ココナッツオイルを多く摂り過ぎると長鎖脂肪酸の摂取量が過剰となりカロリーもオーバーするため、逆効果になります。体に良いからといって多く摂ればよいという訳ではありません。
ココナッツオイルは食用として摂取するだけでなく肌に塗って使うことで肌の保湿効果や美肌効果が得られます。また、肌の血行を改善し、紫外線のバリア効果もあるといわれています。マッサージ用のオイルとして使うのも良い方法です。
ココナッツオイルは常温で保存できます。酸化しにくい性質がありますが、開封後は半年を目安に使い切りましょう。固形のオイルはカビの繁殖を防ぐため、水分が入らないように使いましょう。

 

【監修】 大友博之 渋谷セントラルクリニック エグゼクティブ ディレクター

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