葉っぱのビタミンがすごい「カブ(蕪)」 かぶ
春の七草の一つとしても有名なカブ(蕪)。カブはチンゲンサイや白菜、菜の花、キャベツなどと同じくアブラナの一種です。
古い歴史があり弥生時代頃には日本に伝わっていたとされています。日本では千葉や埼玉など関東地方で多く生産されています。呼び名も様々あり、一般的に知られているものでは「かぶら」や「かぶな」、「すずな」などがあります。
カブの旬は3~5月の春と、10~11月の秋です。通年出荷されている根菜ですが、春物はやわらかく、秋物は甘みが強くなります。
栄養素
基本的な栄養素は、ビタミンCやカリウム、消化酵素のジアスターゼを多く含みます。
根の部分だけではなく、 葉もおいしく、品種によっては主に葉を食べるものもあります。根は淡色野菜で、葉は緑黄色野菜です。栄養面では断然葉の方が多く含んでいます。
特に葉に含まれるビタミンCは、ほうれん草の倍以上もあり緑の彩りを添えるにはもってこいの部分と言えます。
カブの主な栄養成分(可食部100g当たり 中1個)
・エネルギー・・・20kcal
・カリウム・・・330mg
・ビタミンC・・・82mg
・食物繊維総量・・・2.9g
効能・効果
整腸作用:消化酵素の一つであるジアスターゼを多く含むため、冷えが原因の腹痛や消化不良を改善する効果があります。
炎症を鎮める:熱を冷まして炎症を鎮め、腫れ物やできもの、しこり、のぼせなど、熱性の症状に効果があります。
東洋医学的側面
・寒熱:温(穏やかに体を温める)
・昇降・収散・潤燥:降(気を降ろす)・散(気を体の外へ出す作用)
・臓腑:肺・脾
・五味:甘(補い滋養する作用)
・毒性:なし
栄養素を上手に摂るための保存方法と調理方法
葉の緑色が鮮やかでみずみずしく、実は白くて光沢があり、ひげ根がピンとしているものを選びましょう。
葉から水分が蒸発していくため、葉は湿らせた新聞紙に包み、根はポリ袋に入れて冷蔵庫の野菜室で保存します。
カブは、サラダや和え物、スープの具材や、かぶら蒸しなど、様々な調理法、様々な形で食べられる根菜類です。
消化に良いジアスターゼを効率よく摂るためには、おろし汁がおすすめで、カリウムをしっかり摂るためには、スープなど汁まで口にできる調理法が良いでしょう。
また、根菜類の多くは皮の下に栄養素が多く含まれているため、特に小カブは皮のまま調理してみてください。