成長ホルモンを分泌させる「山芋」 やまいも

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山芋は、日本でも縄文時代から食用・薬用に利用されてきました。

山芋の旬は11~1月です。冬場になると粘りが増して味が濃くなるといわれています。

栄養素

山芋はデンプンを多く含んでいます。消化の良いαデンプンのため、加熱しなくてもおいしく食べることができます。また、山芋には非常に豊富な酵素が含まれているのが特徴で、アミラーゼやグリコシターゼなど、消化酵素がたっぷり含まれています。

その他、アミノ酸の一種で成長ホルモンの分泌を促進して筋肉組織を強化したり免疫を高めてくれるアルギニンも含まれています。

山芋の主な栄養成分(可食部100gあたり)

エネルギー 452kcal
炭水化物 22.6g
食物繊維 1.4g
たんぱく質 4.5g
ビタミンC 7mg
カリウム 590mg
マグネシウム 12mg

効能・効果

山芋は昔から滋養強壮によいスタミナ食品として重宝されています。

コリンやアルギニンなどは内臓機能を高め、消化不良の解消や胃腸の強化に最適です。またコリンはコレステロールが血管にくっつくのを妨げて、動脈硬化を予防する効果も指摘されています。

アルギニン成分は、精力増強に効果的なほか、肝機能を保護する作用、血流改善効果や美肌効果も期待できます。

山芋に含まれるアミラーゼが消化吸収を助けてくれるため、胃もたれや胃弱の改善にも役立ちます。

ビタミンB群も豊富に含まれているために、各種アミノ酸が体の細胞を生成する働きも促進してくれます。

東洋医学的側面

・寒熱:平(体を温めも冷やしもしない)
・昇降・収散・潤燥:潤(体を潤す性質)
・臓腑:肺、脾、腎
・五味:甘(補い滋養する作用)
・毒性:なし

脾臓の活性化
肺の活性化
滋養強壮
胃腸の強化、下痢の鎮静化
発育促進
頻尿・寝汗・耳鳴りの改善

栄養素を上手に摂るための保存方法と調理方法

山芋を選ぶ際は切り口に注目し、変色していない、みずみずしいものを選ぶとよいでしょう。皮の色は黄色みがかったものがよく、不自然に白いものは漂白されている場合があるので避けます。カットしていない山芋は、新聞紙に包んで冷暗所で保存すると1か月程度は大丈夫です。

山芋は、生で食べるのが最も栄養を効率的に摂取することができます。すりおろしてとろろにしたり、細切りにするなどしても食べやすいので、生食を基本にするとよいでしょう。

山芋に接触すると腫れたりかゆみがでる体質の人は、短時間加熱して食べると、おいしく食べられます。栄養効果を高めるおすすめレシピは、良質なたんぱく質を含むまぐろの赤身に、山芋のすりおろし(とろろ)をかけ、わさび醤油でいただく「まぐろの山かけ」です。

 

【監修】 大友博之 渋谷セントラルクリニック エグゼクティブ ディレクター

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