長芋とターメリックで真夏を迎え撃つ

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長芋でアゲアゲ、ホルモン力

これだけ暑い日が続くと、胃腸が疲れることによる体調不良を訴える方が外来でも増えてきます。

昔から医食同源の世界ではこうした時には長芋をオススメされることが多いのですが、それを医学的に解説するならば消化を助けるアミラーゼという酵素がたっぷりと含まれていることが理由だと思います。

今回使った長芋は、“自然栽培の仲間たち“から頂いた完全無農薬である自然栽培のもの。
スーパーで見かける長芋よりも粘りが強くシャキシャキとした食感と甘みが感動的で、Dr.ピエールは第一印象で中が半生になるように素揚げにチャレンジしようと思いました。

長芋は夏バテ以外にも全般的に健康に良さそうなイメージですが、昔から「山薬」という名前で八味地黄丸や牛車腎気丸と言った漢方薬に使われてきました。
これらは泌尿器系のトラブルや子宝相談などで用いられてきた、いわば老化予防のお薬。
長芋が「精のつく食べ物」として知られているのもあながち間違いではないのかもしれません。

一方の西洋の伝統医学でも長芋は「ジオスゲニン」という成分の力でホルモン力を上げて更なるアンチエイジング効果が期待されています。

そのほか、長芋には食物繊維ビタミンB1ビタミンCが豊富に含まれています。ビタミンB1やビタミンCには抗酸化作用があり、シミやシワやたるみの予防などアンチエイジング作用が期待できます。

ちなみに長芋で手が痒くなったりするのは、長芋に含まれているシュウ酸ナトリウムという成分のしわざ。すりおろしたり切ったりするときに皮膚に触れることで痒みを引き起こします。
痒みを抑制するためには、長芋を冷凍させると良いとされています。

最強のスパイスには消炎・解毒効果がたっぷり

今回は素揚げした長芋にDr.ピエール特製の花椒ターメリックがベースのスパイス塩を振りかけてエキゾチックな美味しさに。

花椒には消化をすすめる健胃作用と殺菌作用があります。
花椒に含まれている“しびれる”作用が鎮痛薬としても利用されたり、ホルモンのバランスを整えたり、皮膚表面の細菌も抑制する効果が期待されています。
辛いだけではない、炎症を抑える作用のある食材です。

また、ターメリックの黄色色素成分であるクルクミンはポリフェノールの一種で、強い抗酸化力があり炎症を抑制する効果や抗菌効果があります
そのほかにもクルクミンには肝臓の機能を強化したり、胃の働きを活発にして食欲を増進させる、消化を促進する働きがあります。

花椒とターメリックを一緒にすることで最強のスパイスに!

そして飲み物はビールは勿論、シャンパーニュにもピッタリ合う仕上がりです。

ターメリックはDr.ピエールのプロデュースしているオムニキュア化粧品にも使われている消炎・解毒効果が強い食材なので、調たー乗って飲み過ぎたとしても少しは助けてくれるかもしれませんよ。

何はともあれ山芋×スパイス、夏に向けてのヘビーローテーションになりそうな予感です。

今回使ったスパイスをもう少し詳しくお知りになりたい方はこちらをご覧ください。
☛ 辛いだけではない、炎症を抑える作用のある「花椒 」

☛ アンチエイジングに必要なものが全てある「ウコン(鬱金)」

 

〔大友“ピエール” 博之〕

日本のみならずロサンゼルス、フランクフルト、香港、バンコクに拠点を持ち、個別化医療(precision medicine)を実践している。免疫栄養学に基づいた食事指導、ホルモン補充療法、運動療法を取り入れた治療で定評がある。

・ 医師 日本抗加齢医学会専門医 / 欧州抗加齢医学会専門医 / 日本麻酔科学会専門医
・ 西洋薬膳研究家、シェフドクターピエールとしても活躍中
 渋谷セントラルクリニック代表
 一般財団法人 日本いたみ財団 教育委員

・ 料理芸術や食の楽しみといった価値感を共有するシェフなどが集う日本ラ・シェーヌ・デ・ロティスール協会のオフィシエ
・ ワインにも造詣が深く、フランスの主要産地から名誉ある騎士号を叙任している。
 シャンパーニュ騎士団 シュヴァリエ / ボルドーワイン騎士団 コマンドリー /ブルゴーニュワイン騎士団 シュヴァリエ

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