中秋は月見だんごと里芋で月を愛でる

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里芋は栽培の歴史が長く、古から生活に密着した食べ物です。そのため農耕儀礼の供物として多く用いられてきました。稲作が始まったのは縄文時代後期の頃といわれますが、里芋はそれよりも古くよりなじみのある食材です。

中秋の名月、すなわち十五夜を別名「芋名月(いもめいげつ)」といいます。

中秋の名月は古くに中国より伝わり、日本では平安朝より貴族の中で催されてきたものが、後になって民衆の間でも広く行われるようになりました。中秋とは秋全体の中日のことで、今の暦では9月の中旬ごろに訪れます。日本ではこの時期、里芋などの芋類の収穫を祝い里芋やさつまいもなどの芋類を供える行事がおこなわれてきました。

 

秋の初物で作る「きぬかつぎ」は、月見だんごと並んで中秋の名月に欠かせないお供え物。月見だんごは丸い形で月を表現していると言われ、里芋は稲作以前に里芋などの芋類を主食として食べていた頃からの名残で、当時の収穫物である里芋を供えるといわれています。里芋を奉納するお祭りが各地でみられるのもこのためです。


里芋は、東南アジアのタロイモ類の仲間で、品種には石川早生、土垂、八つ頭、伊予美人、セレベス、たけのこイモなど、各地に形や食感が異なる多くの品種があります。原産地はインド東部からインドシナ半島にかけての熱帯地域、日照時間が長くて高温多湿条件を好む作物です。

日本へは中秋と同様に中国から伝わってきたといわれています。山に自生していたヤマイモに対し、里で栽培されることからサトイモという名がついたという説のある里芋。日本の主要生産地は埼玉、宮崎、千葉などです。関東では秋から冬にかけて収穫されることが多く9月から11月の霜の降りる前となります。

里芋には胃腸の調子を整え、食欲を増進させる滋養強壮の働きが期待されます。ビタミンミネラルがバランスよく含まれており、またアミノ酸も豊富ですので肝臓の働きをよくする効果があります。独特のぬめりがありますが、ぬめりに含まれるガラクタン、グルコマンナンは水溶性食物繊維の一種で、腸を刺激して便秘の予防や解消、免疫力向上、がんの発生や進行を抑制、風邪予防にも効果があるといわれます。また、血糖値やコレステロール値を下げる働きもあり生活習慣病の予防も期待されます。

里芋は縁起の良い食べ物ですので、縁起物としてもよく食されます。例えば、正月料理には里芋の白煮をいただく風習もあります。また、里芋は茎が肥大した作物、株の中心に親イモがあり、そこから子イモが分球して増える形態です。子イモから更に孫イモが分球して増えていきますので、こうしたことから子孫繁栄、縁起物、おめでたい食材として重宝されることもあります。

芋煮、きぬかつぎ、けんちん汁、など昔から身近なお料理でもなじみ深い里芋。中秋の時期は月見だんごと並んで月を愛でる主役となります。


里芋についてもっと知りたい方はイシペディアの「里芋の栄養素分析」の記事もご参照ください。

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