万願寺唐辛子を食べて銅を補給する
疲労回復には銅が必要不可欠
Dr.ピエールが好きなタイ北部チェンマイの超名物料理を今日は ‘万願寺とうがらし’ でアレンジ。
オリジナルはナスとエシャロットと唐辛子数種を炭火で焼いてペースト状につぶし、ナンプラーやライムで調味したもの。
ディップとして生野菜や茹でた野菜、餅米につけて食べる副菜で、これがないお店を見つけるのが難しいぐらいの定番料理!
万願寺とうがらしは「伏見系のトウガラシ」と「カリフォルニア・ワンダー系のトウガラシ」が交配されて誕生し、その大きさから「とうがらしの王様」とも言われている。
カリウムやビタミンC(ピーマンの2倍!)も豊富ながら、注目したいのは「銅」。
栄養素としての印象は弱いかも知れないけど、実は我々の体内に80mgほど存在している大事なミネラル。
銅は体内で鉄分の働きを促進させることから、貧血を予防する効果で有名。
体内で鉄分をうまく活用するためには銅が必要不可欠なのですね!
銅が不足することなんてあるのかと思われる方もいらっしゃるでしょうが、クリニックで検査しているとメンタルでストレスを抱えていたりする人では結構お見かけするので、あなたも知らず知らずのうちに隠れ銅不足になっているかもしれません。
私たちのカラダにとって銅がどのような影響を及ぼしているのかをまとめると
〚骨や皮膚、血管壁や髪の毛の健康を維持する〛
銅は細胞間の結合組織となり、丈夫な骨や皮膚をつくるコラーゲンの生成に欠かせない栄養素です。また、銅には髪の毛の色素であるメラニン色素を作るために欠かせないチロシナーゼという酵素の合成にも欠かせません。銅は丈夫な骨や皮膚を作る効果や髪の毛の健康を維持する効果があります。
〚鉄の効果を促進する〛
銅にはカラダの中で鉄の働きを促進させる効果があります。鉄分はヘモグロビンを作るのに必要な栄養素です。
銅は鉄分を必要な場所に運び、赤血球の合成を助ける働きを持っています。また、鉄分の働きを促進させることから、貧血を予防する効果も期待できます。体内に鉄分がたくさんあっても、その鉄分をうまくカラダの中に循環させることができなかったら貧血は起こってしまいます。そのため、貧血対策として鉄分だけを取ればいいのではなく、一緒に銅も摂取する必要があるといえます。
〚酵素の材料となる〛
銅にはSODなど約10種類の酵素の材料となる働きがあります。これによって過酸化脂質の抑制や酸素の運搬を助ける効果、神経伝達物質の産出など多くの効果や効能が期待できます。
〚疲労回復効果〛
銅は様々な疲れの原因となる活性酸素を除去する働きを持っています。これも先ほど紹介した銅が様々な酵素になる事ができる性質を持っているため起こる効果です。
メンタルと銅の関係性
ちなみにメンタルと銅が関係しているのは、銅には疲れの原因となる活性酸素を除去する働きもあるから。
免疫力を高めるためにも欠かせません。
ところで銅を多く含む食品を見てみると、ダイエット中のDr.ピエールとしてはカロリーやコレステロールがちょっと気になるものが多いのですが万願寺はダントツにヘルシー。
ナッツ類 1.2~1.9mg
あん肝 1mg
カニ 0.46mg
エビ 0.61mg
すじこ 0.74mg
万願寺 0.79mg
なんだか疲れが抜けないなと思われたら、唐辛子を食べてシャキッとしましょう。
Dr.ピエールの唐辛子を使ったレシピはこちらからご覧いただけます。食べ物からカラダを元気にする理にかなったレシピをご提案しています。
☛ 若返りとダイエットの特効薬”アサリとバジルの唐辛子炒め”
☛ 鯵をエスニックで食べれば美肌になる
☛ 大豆ミートを使った健康的なガパオ炒め
☛ 脳をシャープにする焼きナスのヤム
〔大友“ピエール” 博之〕
日本のみならずロサンゼルス、フランクフルト、香港、バンコクに拠点を持ち、個別化医療(precision medicine)を実践している。免疫栄養学に基づいた食事指導、ホルモン補充療法、運動療法を取り入れた治療で定評がある。
・ 医師 日本抗加齢医学会専門医 / 欧州抗加齢医学会専門医 / 日本麻酔科学会専門医
・ 西洋薬膳研究家、シェフドクターピエールとしても活躍中
・ 渋谷セントラルクリニック代表
・ 一般財団法人 日本いたみ財団 教育委員
・ 料理芸術や食の楽しみといった価値感を共有するシェフなどが集う日本ラ・シェーヌ・デ・ロティスール協会のオフィシエ
・ ワインにも造詣が深く、フランスの主要産地から名誉ある騎士号を叙任している。
シャンパーニュ騎士団 シュヴァリエ / ボルドーワイン騎士団 コマンドリー /ブルゴーニュワイン騎士団 シュヴァリエ