

茄子 なす
「秋茄子は嫁に食わすな」ということわざがありますが、茄子は夏(7月)から初秋(9月)が旬です。利尿作用があり、体を冷やす効果が強いため、夏に向く食材です。
栄養素
水を除く主成分は糖質ですが、カロリーも低く、低たんぱく質で、栄養価はあまり高くありません。そのほかには、ビタミンA、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンCなどのビタミン類や、カルシウムや鉄などのミネラルを含んでいます。
茄子の皮の紫色はポリフェノールのナスニンで、紫外線から肌を守る効果があります。
茄子の主な栄養成分(可食部100gあたり 1個60~80g)
・カルシウム・・・220mg
・鉄・・・0.3mg
・ビタミンA・・・8μg
・ビタミンB1・・・0.05mg
・ビタミンB2・・・0.05mg
・ビタミンC・・・4㎎
・食物繊維・・・2.2g
効能・効果
夏バテ防止
利尿作用があるカリウムを多く含んでおり、体の熱を水分と一緒に体外に放出することで、体を覚ますことが出来ます。また、リン脂質の構成成分であるコリンは、胃液の分泌値を促進して、食欲不振を解消してくれます。
老化防止
茄子に含まれるポリフェノールの、ナスニンやクロロゲン酸、β–カロテンなどは活性酸素によって生じる過酸化脂質を抑制する働きがあり、老化防止に効果があります。
認知症予防
コリンは体内でレシチンやアセチルコリンに合成されます。レシチンやアセチルコリンには、血管のつまりを防いだり、血管を拡張させたりする効果があり、脳の血流を整え、記憶力や学習能力を向上させます。
生活習慣病
ポリフェノールのナスニンは、血中コレステロール濃度を低下させ、動脈硬化を予防してくれます。また、カリウムが余分なナトリウムを排出してくれる他、アセチルコリンが血管を拡張させてくれるため、高血圧を防ぎます。
疲れ目の回復
ブルーベリーに含まれるアントシアニンと同じ仲間のナスニンは、抗酸化力が強く、疲れ目を解消したり、紫外線から目を守ったりしてくれます。
東洋医学的側面
・寒熱:寒(体の熱を冷ます)
・昇降・収散・潤燥:降(気を降ろす)
・臓腑:脾・胃・大腸
・五味:甘(補い滋養する作用)
・毒性:なし
体の熱を冷まして、血液の流れを良くします
血流を改善し、血液の漏れを防ぎます
利尿作用があり、むくみをとります
栄養素を上手に摂るための保存方法と調理方法
あくが強く、果肉の色が変わりやすいですが、水に漬けるとカリウムや水溶性ビタミン、ポリフェノールなどが水に溶けて失われてしまうので、切ったものは水に漬けずにすぐに調理したほうが無駄なく栄養を摂ることが出来ます。
熱帯産の植物なので、冷蔵庫などの低温で保存すると低温障害を受けるので注意しましょう。