1日スプーン一杯で肌荒れを予防「しそ油」 しそあぶら
しそ油はシソの種子から搾油される植物油です。エゴマ油と似ていますが、エゴマ油はシソ科であるエゴマの種子から作られる点で異なります。
しその葉ではなく種子が原料ですので、しその香りはせず無味無臭です。
一般的な植物油よりもサラサラとして口当たりが良い油です。
栄養素
しそ油は他の植物油に比べリノール酸の含有量が少なく、α–リノレン酸が豊富に含まれるのが特徴です。
α–リノレン酸は、血液中の余分なコレステロールや中性脂肪を減少させ、血流を改善する効果があります。
高血圧や脂質異常症、糖尿病など生活習慣病の予防、改善に役立ちます。
1日にスプーン一杯程度のしそ油を摂ることで、肌に潤いを与え、肌荒れや吹き出物を予防します。
また細胞の中にある「ペルオキシソーム」と呼ばれる脂肪の燃焼に関わる器官の働きを補助するため、肥満予防やダイエット効果が期待できます。
しそ油の主な栄養成分(100gあたり 大さじ7~8杯)
・エネルギー……921kcal
・脂質……100g
・飽和脂肪酸……7.64g
・一価不飽和脂肪酸……16.94g
・多価不飽和脂肪酸……70.6g
・n-3系脂肪酸……58.31g
・n-6系脂肪酸……12.29g
・オレイン酸……16000㎎
・リノール酸……12000㎎
・α-リノレン酸……58000㎎
・パルミチン酸……5600㎎
・ステアリン酸……1900㎎
・ビタミンE……66.2㎎
・ビタミンK……5㎍
効能・効果
冷え性、肩こりの改善
しそ油に含まれるα–リノレン酸は、血液中のLDL(悪玉)コレステロールを減少させ、血液をサラサラにする働きがあります。
血管をしなやかに保ち、血行が良くなることで冷え性や肩こり、むくみの予防につながります。
老化防止(アンチエイジング)
しそ油に含まれるα–リノレン酸やビタミンEには優れた抗酸化作用があり、細胞の老化を予防するアンチエイジング効果があります。
また、脳細胞を活性化し、脳機能の衰えを防ぎます。アルツハイマー型認知症の予防、改善にも効果が期待されています。
花粉症の予防
しそ油に含まれるα–リノレン酸にはリノール酸の働きを抑制し、アレルギーを防ぐ効果があります。
花粉症による目のかゆみやアレルギー性鼻炎の予防に効果があります。
うつ症状の改善
α–リノレン酸は体内でDHAやEPAに変換されます。
このうちEPAには精神を安定させる作用があり、精神不安やうつ病を改善する効果があると考えられています。産後うつにも効果があるという報告があります。
東洋医学的側面
・寒熱:平(体を温めも冷やしもしない)
・昇降・収散・潤燥:潤(体を潤す性質)
・臓腑:脾、肺
・五味:甘(補い滋養する作用)
・毒性:無毒
血行を改善し、冷え性や肩こりを改善します
免疫力を高め、風邪などの感染症を防ぎます
皮膚や粘膜を健康に保ち、ものもらいや吹き出物を予防します
栄養素を上手に摂るための保存方法と調理方法
しそ油は他の植物油に比べ、酸化しやすいデリケートな油です。
通常は半年から1年程度に使用期限が設けられています。期限に注意し、開封後は1か月程度を目安にできるだけ早く使い切りましょう。
小さな遮光瓶などに入れ、必要な分だけ常温で使えるようにすると便利です。
しそ油は熱に弱い性質があるため、炒め物や揚げ物には向きません。サラダやおひたしなどにかけるなど使い方を工夫してみましょう。