オメガ6(ω−6) おめがしっくす
オメガ6(ω−6,n-6系脂肪酸)は、ヒトの体内で合成できない多価不飽和脂肪酸の一つで、食事などから摂取する必要がある必須脂肪酸です。リノール酸、γリノレン酸、アラキドン酸などの種類があります。
オメガ6には、高血圧や脂質異常症など生活習慣病の予防、アレルギーを改善する働きなどがあります。
生理作用
オメガ6に分類されるリノール酸、γリノレン酸、アラキドン酸には血中コレステロール値を低下させる働きや血圧の上昇を抑える効果などがあり、動脈硬化や生活習慣病全般の予防に役立ちます。特に、リノール酸は脂肪の燃焼を促進し、肥満を予防するほか、血流を改善し、冷え性の改善にもつながります。
γリノレン酸は食事から摂るだけでなく、体内でリノール酸からも合成され、関節リウマチ、アトピー性皮膚炎、PMS(月経前症候群)などを改善する効果があります。
アラキドン酸には血糖値を下げる効果、血栓を防ぐ効果、アレルギー症状を緩和する効果があります。また、アラキドン酸は脳の神経細胞を活性化させ、学習力や記憶力を向上させる効果も期待されています。
過剰・欠乏症状
オメガ6が不足するとアレルギー症状や皮膚炎を起こすことがあります。また、過剰に摂取するとHDL(善玉)コレステロールの減少、がんや動脈硬化の原因となる過酸化脂質の増加、心筋梗塞のリスクなどを高める恐れがあります。
オメガ6の一日当たりの摂取基準
【男性】
(18~29歳)……11g以上
(30~49歳)……10g以上
(50~69歳)……10g以上
(70歳以上)……8g以上
【女性】
(18~29歳)……8g以上
(30~49歳)……8g以上
(50~69歳)……8g以上
(70歳以上)……7g以上
オメガ6を多く含む食品(食材100g当たりの含有量)
<食用油>
・ひまわり油……57.51g
・綿実油……53.51g
・大豆油……49.67g
・ごま油……40.88g
<魚類>
・クロマグロ……0.60g
・サンマ……0.51g
・真サバ……0.43g
・ブリ……0.37
・真いわし……0.36g
オメガ3の上手な摂取方法
不飽和脂肪酸のオメガ3とオメガ6は1:4の比率で摂取すると動脈硬化や生活習慣病の予防効果が高まります。また、心筋梗塞のリスクを下げることが報告されています。
オメガ6は酸化しやすく、熱や光、空気に触れると人体に有害な過酸化脂質に変化します。食材は新鮮なものを使い、食用油は早めに使い切るようにしましょう。
オメガ6はカロリーが高く、摂りすぎると肥満の原因になります。過不足なく適度に摂取するように心掛けましょう。特に油脂として摂る場合は摂りすぎに注意しましょう。