⑭ 過敏性腸症候群とグルテンフリーは関係あるの?
Dr.大友 渋谷セントラルクリニック エグゼクティブディレクター
過敏性腸症候群といえば話題はグルテンかなと思うんですね。世界的テニスプレーヤーのジョコビッチさんがグルテンの話と乳製品の話を本の中でなさって日本でも大きな話題になったと思うんですが。グルテンに関してはDr.菰池はどのようにお考えですか。
Dr.菰池 たまちホームクリニック院長
はい。元々グルテンってセリアック病という病気の方が摂取すると悪化するということで有名になった食品ですね。なんですけど、胃と腸にトラブルを抱えていらっしゃる方も一定の確率でセリアック病じゃないにしても、グルテンで具合が悪くなる方っていうのが出てきているのもあって最近注目されています。
Dr.大友
グルテン自体は腸にどういうことをするんですか?例えば、腸管の免疫を悪くするのか、それとも腸内細菌を悪くするのかどっち?
Dr.菰池
そうですね。これも、最近言われているのはどちらも悪くする可能性があるってことは示唆されていますね。
Dr.大友
例えばグルテンフリーにすると、どれくらいで症状の改善が期待できるんですか。
Dr.菰池
先ほどの話じゃないですけど、グルテンを止めたからといって次の日良くなるっていうのはちょっと考えにくいと思うんですが。やはり1カ月とか、それぐらいの期間はみて頂く必要があると思います。
Dr.大友
徹底してグルテンを抜く必要がある。
Dr.菰池
そうですね。
Dr.大友
他のものと組み合わせて減らした方がいいっていうことはあるんですか。例えば、ジョコビッチさんはグルテンと乳糖を両方除去していましたけど。菰池先生が、もし患者さんにご説明するとしたら、これとこれをやったらいいよとかってどうおっしゃいますか?
Dr.菰池
そうですね。日本人の方と欧米人の方で、どこまで体質的に差があるかっていうのは非常に悩ましいところですけども。少なくとも他の治療法、他の食事法を試されて治りが悪いという方は、ひとつ、ひとつやっていって頂いたら良いと思うんですね。
私は、両方、あるいは複数の種類やってしまうと、どれが結局効いてどれが効かなかったのかというのが分かりにくくなるので、1か月単位で1つずつ制限をして頂くと良いかと思いますね。
Dr.大友
なるほど。ちょっと良くなったら、それにプラスするんですか。
Dr.菰池
症状次第でしょうけども。食事制限をすると大変だと思うので、甘めの食事制限っていうことを少しづつ足していくと私はいいかなあと個人的には思っています。
Dr.大友
僕はすごいきっちり厳しいという派ですけれど、Dr.菰池は優しい・・。
大友博之 渋谷セントラルクリニック エグゼクティブ ディレクター
日本抗加齢医学会専門医、日本麻酔科学会専門医、日本医師会認定産業医、国際抗加齢医学会専門医(WOSAAM)
免疫栄養学に基づいた食事指導、ホルモン補充療法、再生医療、運動療法を取り入れた新しい統合医療をベースにした診療で著名人にもファンが多い。最先端の西洋医学に通じている一方で、「鍼治療の魔術師」と呼ばれるほど鍼治療の名手で東洋医学にも造詣が深い。
またワインと健康食の愛好家しても名高く、ボルドー、ブルゴーニュ、シャンパーニュのワイン騎士団から名誉ある「シュバリエ」を叙任されているほか、料理芸術や食の楽しみといった価値感を共有する美食家が集う日本ラ・シェーヌ・デ・ロティスール協会の「オフィシエ」でもある。
日本内科学会認定医、日本消化器病学会認定消化器病専門医、日本消化管学会認定指導医、日本肝臓学会肝臓専門医、日本ヘリコバクターピロリ学会認定感染症認定医、日本がん治療認定医機構がん治療認定医、日本カプセル内視鏡学会認定医、日本医師会認定産業医