夏バテ対策には黒い茄子の女王様

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丸々とした京の伝統野菜”賀茂茄子”

京都の伝統野菜の中でも人気が高い”賀茂茄子”。
賀茂茄子は実に繊細。風で葉が触れるだけで傷が入ってしまうし、色がぼけやすい、実が割れやすいなどの理由から通常の茄子の半分しか流通しないとか。

そうした希少性と実の詰まった佇まいと味わいもあって「茄子の女王」と言われている。

食べログの日本料理で長いこと一位に輝く松川さんで、ある意味メインのような見た目で供されたのが一瞬びっくりするような真っ黒な賀茂なすの丸焼き。
でも皮を割るとさすが女王様ともいうべきトロトロなめらかな食感と甘みが嬉しい。

夏バテ対策に茄子

茄子は昔から体を冷やすと言われているように夏バテ防止にもってこい。
その理由のひとつは、利尿作用があるカリウムをたっぷり含んでいること。
尿を出すと塩分と共に熱が排出されるので、体を冷ましてくれるというわけ!

二つ目の理由はコリンにあります。
茄子に含まれるコリンが血管を広げてくれることから熱が逃げやすくなります。

また、ビタミンA、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンCなどのビタミン類やカルシウムや鉄などのミネラルも豊富。

茄子の主な栄養成分(可食部100gあたり 1個60~80g)
カリウム・・・220 mg
カルシウム・・・220mg
・・・0.3mg〛
ビタミンA・・・8μg
ビタミンB1・・・0.05mg
ビタミンB2・・・0.05mg
ビタミンC・・・4㎎
食物繊維・・・2.2g

茄子の効能効果は盛りだくさん
〚夏バテ防止〛
利尿作用があるカリウムを多く含んでおり、体の熱を水分と一緒に体外に放出することで体を覚ますことが出来ます。また、リン脂質の構成成分であるコリンは胃液の分泌値を促進して食欲不振を解消してくれます。

〚老化防止〛
茄子に含まれるポリフェノールのナスニンやクロロゲン酸、β-カロテンなどは、活性酸素によって生じる過酸化脂質を抑制する働きがあり老化防止に効果があります。

〚認知症予防〛
コリンは体内でレシチンやアセチルコリンに合成されます。レシチンやアセチルコリンには、血管のつまりを防いだり血管を拡張させたりする効果があり、脳の血流を整え記憶力や学習能力を向上させます。

〚生活習慣病〛
ポリフェノールのナスニンは、血中コレステロール濃度を低下させ動脈硬化を予防してくれます。また、カリウムが余分なナトリウムを排出してくれる他、アセチルコリンが血管を拡張させてくれるため高血圧を防ぎます。

〚疲れ目の回復〛
ブルーベリーに含まれるアントシアニンと同じ仲間のナスニンは、抗酸化力が強く、疲れ目を解消したり紫外線から目を守ってくれます。

 

茄子に限らず、暑い時期に採れる瓜科などの野菜の多くはカリウムと水分を豊富に含んでいるので、夏バテ対策としては理にかなっています。
ただそれはあくまでも冷房がなかった時代の話で、一日中冷房に当たる環境にいる方や冷え性の人は摂りすぎにはご注意を。

Dr.ピエールは自宅で食べる時は栄養の詰まった皮は軽く焦がす程度にして身と一緒いただきます。
栄養素的には水分が9割と言われる茄子は栄養がないと思われがちですが、茄子の皮に豊富に含まれるポリフェノールの一種「ナスニン」に強力な抗酸化作用があり、肌のバリア機能をアップさせて夏の強い紫外線からお肌を守る日焼け対策にもなります。

 

Dr.ピエールの旬の食材を使った夏バテ対策レシピはこちらをご覧ください。
長芋とターメリックで真夏を迎え撃つ
究極の夏バテ撃退料理は旬のゴーヤで
☛ 枝豆とトマトが夏バテに効く
☛ 顔色がピカピカになるタパス

赤坂  松川
東京都港区赤坂1-11-6 赤坂テラスハウス1F

 

〔大友“ピエール” 博之〕

日本のみならずロサンゼルス、フランクフルト、香港、バンコクに拠点を持ち、個別化医療(precision medicine)を実践している。免疫栄養学に基づいた食事指導、ホルモン補充療法、運動療法を取り入れた治療で定評がある。

・ 医師 日本抗加齢医学会専門医 / 欧州抗加齢医学会専門医 / 日本麻酔科学会専門医
・ 西洋薬膳研究家、シェフドクターピエールとしても活躍中
 渋谷セントラルクリニック代表
 一般財団法人 日本いたみ財団 教育委員

・ 料理芸術や食の楽しみといった価値感を共有するシェフなどが集う日本ラ・シェーヌ・デ・ロティスール協会のオフィシエ
・ ワインにも造詣が深く、フランスの主要産地から名誉ある騎士号を叙任している。
 シャンパーニュ騎士団 シュヴァリエ / ボルドーワイン騎士団 コマンドリー /ブルゴーニュワイン騎士団 シュヴァリエ

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