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ベジタリアンがビタミンBを摂らなくてはならない理由

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編集部W
友達でベジタリアンの子がビタミンが足りなくなるってサプリメントを飲んでいるんですけど、本当ですか?お野菜を食べているとビタミンが豊富なイメージがあるので不思議だなと思っていました。

Dr.ピエール大友 (イシペディア編集長)
今回はお野菜を中心にお食事をされる方のビタミンの問題について考えてみましょう。健康に関する思想や宗教上の理由でお野菜中心の食生活をされている方も多くなりましたね。

編集部W
はい。ベジタリアンやマクロビという言葉をよく耳にします。

Dr.ピエール大友
お友達が言っていたお野菜中心の生活で不足しがちなビタミンというのはビタミンB12のことだと思います。

編集部W
ビタミンB12ですね。具体的にはどのような食材に含まれるでしょうか。

Dr.ピエール大友
ビタミンB12は主に肉類(特にレバー)、魚介類(さけイワシうなぎ)、貝類(しじみ、あさり)、乳製品などの食品に含まれます。通常は必要量は少ないですので普通にこれらの食品を摂取している方はまず不足することはないと考えられます。

編集部W
ベジタリアンの方はお肉やお魚を召し上がられないためにビタミンB12が不足するということですね。

Dr.ピエール大友
お野菜中心の食生活で欠乏しがちな栄養素は、カルシウム、鉄、亜鉛なども思い浮かびますが、その中でも注意したいのはビタミンB12といわれています。ビタミンB12はお野菜、果物などの植物性の食品には含まれませんので、お野菜の食事内容に偏りがちな方はビタミンB12の欠乏について意識的に注意することが必要です。

編集部W
それではお魚やお肉を召し上がられない方はどうすればよいでしょう。

Dr.ピエール大友
サプリメントで摂取することをおすすめします。先ほども申し上げたようにお野菜中心の食生活ではカルシウム、鉄、亜鉛などの栄養素も欠乏しがちですので、ミネラルビタミンは総合的に補充していくことがよいかと思います。

編集部W
なるほどです。ちなみにビタミンB12が不足するとどうなりますか。

Dr.ピエール大友
ビタミンB12は葉酸と協力して赤血球中のヘモグロビン生成を助けます。
また、脳(中枢神経)からの指令を伝える神経を正常に保つ役割もあります。
そのためビタミンB12が不足すると造血不良による貧血や、脳や神経の機能低下が起こります。具体的にはこのことにより疲労感、衰弱、体重減少、便秘、手足のしびれといった症状を引き起こすこともあります。

編集部W
手足のしびれでビタミン12のお薬が処方されるのはそう言った理由もあるのですね。それでは不足する部分はやはりサプリメントで補充しておきたいですね。

Dr.ピエール大友
そのとおりです。またビタミンという観点ではビタミンB6についても問題があります。

編集部W
ビタミンB6も。

Dr.ピエール大友
はい。ビタミンB6とはピリドキシン、ピリドキサール、ピリドキサミンなど同様の作用を持つ10種以上の化合物の総称のことで、水溶性ビタミンの1つです。

編集部W
ビタミンB6はどのような食材に含まれるでしょう。

Dr.ピエール大友
かつお、まぐろ、牛レバー、さんま、果物ではバナナ、お野菜ではニンニクカブなど。いろいろな食材に含まれています。

編集部W
それですとお野菜中心の方でもビタミンB6が摂取できそうですが。

Dr.ピエール大友
はい、ビタミンB6の含まれる量はお野菜にも多く含まれていますが、問題は吸収なのです。ビタミンB6で肉類に含まれているピリドキシンはよく吸収され体内で利用されますが、植物ピリドキシンの場合は88%は吸収されないことが分かっています。

編集部W
なるほど。栄養成分の数値が高くても吸収の問題で不足してしまうのですね。

Dr.ピエール大友
はい。栄養は吸収という観点からも注意する必要があると思います。
結論としては、ベジタリアンの方は足りない部分があるということを認識して意識的に必要な栄養素をサプリメントで補充していただければよろしいかと思います。

編集部W
はい。ありがとうございました。

 

大友博之 渋谷セントラルクリニック エグゼクティブ ディレクター

日本抗加齢医学会専門医、日本麻酔科学会専門医、日本医師会認定産業医、国際抗加齢医学会専門医(WOSAAM)

免疫栄養学に基づいた食事指導、ホルモン補充療法、再生医療、運動療法を取り入れた新しい統合医療をベースにした診療で著名人にもファンが多い。最先端の西洋医学に通じている一方で、「鍼治療の魔術師」と呼ばれるほど鍼治療の名手で東洋医学にも造詣が深い。

またワインと健康食の愛好家しても名高く、ボルドー、ブルゴーニュ、シャンパーニュのワイン騎士団から名誉ある「シュバリエ」を叙任されているほか、料理芸術や食の楽しみといった価値感を共有する美食家が集う日本ラ・シェーヌ・デ・ロティスール協会の「オフィシエ」でもある。

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