筋肉を回復させる「マイワシ(鰯)」 まいわし
マイワシは、血液をサラサラにする青魚の代表です。
イワシには、マイワシの他に、ウルメイワシやカタクチイワシなどがありますが、マイワシが最も脂が多く含まれています。マイワシは通年市場に出回っていて決まった旬はありません。マイワシが最もたくさん獲れて、最もおいしい季節は地域によって異なるようです。
栄養素
マイワシには、血液をサラサラにするエイコサペンタエン酸(EPA:イコサペンタエン酸(IPA)とも言います。)や、脳を活性化させるドコサヘキサエン酸(DHA)などの、不飽和脂肪酸が多く含まれています。EPAやDHAには血中の悪玉コレステロールや中性脂肪を減らす効果もあります。
マイワシには、筋肉の回復効果があるバリン、ロイシン、イソロイシン、アンモニアの排出を助けるアスパラギン酸、血液の循環を助けるアルギニン、セロトニンの前駆物質であるトリプトファンなどのアミノ酸が豊富に含まれています。
また鉄分や亜鉛、マグネシウムなどのミネラルも豊富に含まれています。
マイワシの栄養成分(可食部100g本あたり)
・たんぱく質・・・19.8g
・脂質・・・13.9g
・カルシウム・・・70mg
・鉄・・・1.8g
・多価不飽和脂肪酸・・・3.81g
・ビタミンB12・・・9.5μg
・ビタミンD・・・10.0μg
効能・効果
疲労回復:マイワシに含まれるバリン、ロイシン、イソロイシンなどの分岐アミノ酸には、疲労した筋肉を回復させる働きがあるほか、クエン酸回路を活性化させ乳酸代謝を促進させるアスパラギン酸、エネルギー代謝に必要なビタミンB群などを多く含んでいます。
貧血予防:鉄を多く含むほか、赤血球を作るために必要なビタミンB12を多く含んでいます。
生活習慣病予防:サンマなどの他の青魚と同様にマイワシにはEPAやDHAが含まれており、血中の悪玉コレステロールや中性脂肪を減らし、動脈硬化、高血圧、などの生活習慣病を予防します。また、イワシに含まれるぺプチドの中には、血圧を下げる効果があるものが知られています。
学習能力の向上、認知症予防:EPAやDHAは血液をきれいにしてくれるので、脳細胞を活性化させて学習能力や記憶力を向上させます。また、DHAは脳に取り込まれて、脳細胞を柔らかくし、シナプスを活性化させて情報伝達を促進します。
東洋医学的側面
・寒熱:温(穏やかに体を温める)
・昇降・収散・潤燥:潤(体を潤す性質)
・臓腑:脾・肝・腎・心
・五味:甘(補い滋養する作用)・鹹(軟化させる作用)
・毒性:なし
気の巡りを活性化させ肝の働きを正常化させてくれます
イライラや不安感を解消させ、気持ちを鎮める働きがあります
栄養素を上手に摂るための保存方法と調理方法
イワシは鮮度の落ちが早い食材です。鮮度が落ちると不飽和脂肪酸が酸化されて過酸化脂質になってしまいます。過酸化脂質は、動脈硬化やがんのリスクを高めるため、イワシは鮮度の良いものを選びましょう。生臭みが気になる時は、三枚におろした後塩水に10分ほど浸して血を洗い流すとよいでしょう。