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レストランで食べるタイカレーを再現する

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カレーの肝はペーストにあり!

カオマンガイやガパオライスの専門店はタイにも日本にもあるけれど、タイにあって日本にないのがタイカレー専門店。

本場のタイではアジアベストレストランTOP50にランクされるようなレストランでも、カレーがメインを張っていることを考えれば日本ではタイカレーの地位はインドカレーに比べるとまだまだ低いのかもしれない。
そういった点ではまだまだ日本人にとってのタイカレーは美味しさを極めるというよりは、ある程度美味しいものを気軽に楽しむという位置づけなのかもしれない。

そんなわけで、リストランテを意識した究極のタイカレー。

レストランで食べるようなカレーの肝はなんといってもカレーペーストにある。

ニンニクレモングラスどの生野菜類にナツメグやカルダモン、ウコンなどの乾燥スパイス。
これら14種類の材料を生の状態から叩いてなめらかなペーストになるまで叩き続けるのは根気がいる作業だけれど、立ち昇る香気はミキサーで潰したものの100倍は格調高い気がする。

Dr.ピエール的にタイカレーを構成する大事な要素は油にあると思う。

ペーストはサラダ油で炒めるのではなく、オーガニックのココナッツミルクを少量熱して分離してきた油分と馴染ませるように炒めていくことによって鼻に抜ける香りが何倍も重層的になる。

キッチンだけでなく周りがカレーの匂いで充満してきたら、お肉と残りのココナッツミルクを加えて丁寧に火を通す。
サラッと舌でほどけていく食感にするために、最後に慎重に加水した上でパプリカとコブミカンの葉を入れて完成。

本来は具材にたっぷり唐辛子が入るのだけど、レストランでワインと合わせるという楽しみのことも考えると辛すぎるのもしっくりこない。
かといって赤色がないと見た目がちょっと地味なので、唐辛子の仲間であるパプリカを入れてみた。

パプリカには活性酸素の働きを抑える抗酸化ビタミンのβカロテンビタミンCビタミンE全てが豊富に含まれているので、細胞の老化防止に。

スパイスの効能もあいまって、さながら元気になれるリストランテ級のアンチエイジングカレーといったところでしょうか。
いつか皆様にも食べていただけたらいいな。

Dr.ピエールのリストランテ級タイカレー 

【材料】
カレーペースト:大さじ4
ココナッツミルク:125ml
水:100ml
豚肉:200g
ナムプラー:小さじ1強
塩:小さじ1/4
赤パプリカ:1/3個
コブミカンの葉:6枚(細く千切り)

【作り方】
① フライパンにココナッツミルク25mlを入れ、油分が浮き出てくるまで弱火で加熱する。
② ペーストを入れて炒め、香りが立ってきたら肉を加え炒める。
③ 残りのココナッツミルクと水を加えて肉に火が通るまで煮込み、最後にパプリカとコブミカンの葉をまぜいれる。

〔大友“ピエール” 博之〕

日本のみならずロサンゼルス、フランクフルト、香港、バンコクに拠点を持ち、個別化医療(precision medicine)を実践している。免疫栄養学に基づいた食事指導、ホルモン補充療法、運動療法を取り入れた治療で定評がある。

・ 医師 日本抗加齢医学会専門医 / 欧州抗加齢医学会専門医 / 日本麻酔科学会専門医
・ 西洋薬膳研究家、シェフドクターピエールとしても活躍中
 渋谷セントラルクリニック代表
 一般財団法人 日本いたみ財団 教育委員

・ 料理芸術や食の楽しみといった価値感を共有するシェフなどが集う日本ラ・シェーヌ・デ・ロティスール協会のオフィシエ
・ ワインにも造詣が深く、フランスの主要産地から名誉ある騎士号を叙任している。
 シャンパーニュ騎士団 シュヴァリエ / ボルドーワイン騎士団 コマンドリー /ブルゴーニュワイン騎士団 シュヴァリエ 

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