単なる飾りじゃない「しそ(紫蘇)」 しそ

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紫蘇は脇役として利用されることの多い食材ですが、ビタミン類やミネラル類を豊富に含む緑黄色野菜です。
紫蘇の旬は6~9月です。梅干しの色付け用に使われる赤紫蘇は6~7月のみのものを使います。

栄養素

紫蘇は栄養がとても豊富で、特にβ-カロテン、カルシウム、ビタミンB1が豊富です。β-カロテンの量は他の野菜と比べてもトップクラスです。β-カロテンは必要に応じて体内でビタミンAに変換され、皮膚や粘膜の健康維持、活性酸素を抑えて動脈硬化や心筋梗塞などの生活習慣病予防に効果的です。

また、紫蘇に含まれるαリノレン酸は、体内でEPA(エイコサペンタエン酸)DHA(ドコサヘキサエン酸)に変化して免疫力を向上させ、アレルギー症状の緩和、中性脂肪や悪玉コレステロールの抑制に効果的です。

そして、紫蘇の香り成分であるぺリルアルデヒドには、胃液の分泌を促し食欲を増進させる効果のほか、殺菌作用、防腐作用、解毒作用があります。刺身のツマに紫蘇が利用されるのはこうした理由からです。

紫蘇の主な栄養成分(可食部100gあたり  1枚0.5g)

カリウム・・・500mg
β-カロテン・・・1100μg
カルシウム・・・230mg
ビタミンC・・・26mg
ビタミンE・・・3.9mg

効能・効果

食欲増進:紫蘇に含まれるぺリルアルデヒドが胃酸の分泌を促し食欲を増進させる。

免疫力強化:β-カロテンが豊富で、強い抗酸化作用で免疫力を高め老化やガンを予防する。

アレルギー防止:紫蘇に含まれるαリノレン酸が体内でEPAに変化してアレルギー症状を緩和する。

貧血予防:ヘモグロビンの原料となる鉄や鉄の吸収を助けるビタミンCが貧血を予防する。

東洋医学的側面

・寒熱:温(穏やかに体を温める)
・昇降・収散・潤燥:昇(気や熱を上昇させる)・散(気を体の外へ出す作用)
・臓腑:肺、脾
・五味:辛(発散、気を巡らせる作用)
・毒性:なし

胃腸の働きを回復させる
発汗を促し冷えを改善する
肺の働きを高めて痰を取り除く

栄養素を上手に摂るための保存方法と調理方法

水で濡らしたキッチンペーパーに紫蘇を一枚づつ挟み、ポリ袋やタッパーに入れて冷蔵庫の野菜室で保存します。冷凍する場合は、水洗いして乾かした紫蘇を一枚づつラップに包んで冷凍します。

β-カロテンは油で炒めることで吸収率がアップします。ただし、効能成分は揮発しやすいので、油で炒めるのは2分以内にするとよいでしょう。また、生のまま刻めば紫蘇の香りを十分に楽しめます。

 

【監修】 大友博之 渋谷セントラルクリニック エグゼクティブ ディレクター

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