現代人がお魚に食物繊維を合わせなくてはならない重大な理由
良質な脂肪とタンパク質が豊富なマグロについて
今回は日本人が大好きなマグロのお話し。
スタッフとの会食のためにマグロの大トロの立派なサクを、タイ風にガイヤーンのタレで漬け込んでレアにグリルしました!
脂が程よく落ちて胡椒やパクチーのニュアンスが絡み、バンコクの高級なお鮨屋さんで出したら大ウケすることをイメージして作ってみました。
ご存じのようにマグロには良質な脂肪とタンパク質が豊富。
その他にも
コレステロール低下:マグロに含まれる脂質には、DHA(ドコサヘキサエン酸)とEPA(エイコサペンタエン酸)が多く含まれており、血液をサラサラにすることで動脈硬化を予防することが明らかになっています。
体力の回復:タウリンという成分が含まれていることもあり、昔から気力や体力の衰えに冷えを伴う虚弱体質を改善する働きをもちます。
貧血の改善:特に赤身の部分には血液の材料となる鉄分だけではなく、体で血液を作り出す働きをもつビタミンB12も豊富であるため、貧血の方にはなるべく摂っていただきたい魚です。
もう一つ注目したいのがデトックス効果。
赤身に多く含まれている微量元素のセレンは抗酸化力が強いため、免疫力の向上や老化の防止などの効果が期待できます。
またマグロの食べ過ぎは水銀などの有害金属を心配される方もおられるかと思いますが、セレンはこうした金属のデトックスにも有用で毒性を軽減する働きがあります。
まさにスーパーフード!
マグロの赤身は低カロリーで高タンパクだからダイエット中の方にもおすすめ。
ここまでマグロの栄養価の素晴らしさを言っておいて何ですが… 健康に良いと言われるマグロや青魚も、昨今は汚染物質が蓄積しやすいことを懸念する声がよく聞かれます。
中でも問題になっているのが「マイクロプラスティック」。海に捨てられたプラスティックごみが岩などで細かく削られ、プランクトンぐらい小さなプラスチック片になる。これがマイクロプラスチックと呼ばれ、現在は約5兆個!ほどが世界の海を漂っているそう。
問題はこれを小魚がエサだと思って食べてしまうこと。
その小魚が大きな魚に食べられ、最終的にはそうしたお魚を食べた人間の体内にもプラスティックの成分が取り込まれます。
現時点では魚1匹に含まれるマイクロプラスチックの量は多くても数個なので、魚を食べることがすぐに問題になるとは考えられませんが、今後私たちの食卓に紛れ込む可能生はますます高くなるでしょう。
モナコのアンチエイジング学会でマイクロプラスチックについての記文がございます。マイクロプラスティック問題にご関心のある方はこちらをご覧ください。
☛ ヨーロッパのアンチエイジング学会でマイクロプラスティックについて考える
カラダに良いお魚の摂り方
そこで活躍するのが食物繊維!
マイクロプラスティックに吸着した化学物質の多くは体内に蓄積してガンの発生や免疫の変化を引き起こすと言われていますが、食物繊維を多く摂ると発がん物質を作る腸内細菌が抑えられ、体に有益な腸内細菌が優勢になって有害物質の影響を少なくすることができるのです。
今回は繊維質たっぷりのバターナッツかぼちゃにビネガーを加え、ピュレにして添えてみました。
ゴミを出さない、きちんと処理をする、そして食物繊維。
これからもお魚を食べ続けられるように、出来ることをきちんと整えていきたいですね。
ご自身の身体に有害物質が含まれているのかいないのかは尿検査で調べることができます。
ご興味のある方はこちらをご覧ください。
☛ 有機酸代謝・環境汚染物質検査
〔大友“ピエール” 博之〕
日本のみならずロサンゼルス、フランクフルト、香港、バンコクに拠点を持ち、個別化医療(precision medicine)を実践している。免疫栄養学に基づいた食事指導、ホルモン補充療法、運動療法を取り入れた治療で定評がある。
・ 医師 日本抗加齢医学会専門医 / 欧州抗加齢医学会専門医 / 日本麻酔科学会専門医
・ 西洋薬膳研究家、シェフドクターピエールとしても活躍中
・ 渋谷セントラルクリニック代表
・ 一般財団法人 日本いたみ財団 教育委員
・ 料理芸術や食の楽しみといった価値感を共有するシェフなどが集う日本ラ・シェーヌ・デ・ロティスール協会のオフィシエ
・ ワインにも造詣が深く、フランスの主要産地から名誉ある騎士号を叙任している。
シャンパーニュ騎士団 シュヴァリエ / ボルドーワイン騎士団 コマンドリー /ブルゴーニュワイン騎士団 シュヴァリエ