子どものビタミンD不足を考える

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編集部W
子どものビタミンDが不足していることが問題となっています。

Dr.ピエール大友(イシペディア編集長)
大人もそうですがビタミンDが足りないのは健康を左右する問題ですね。ある研究によると25%近くの女性がビタミンDが欠乏しているとの報告もあります。

編集部W
ビタミンDは食べ物で摂れるのですか?

Dr.ピエール大友
ビタミンDの80~90%は太陽を浴びることによって体内で作られます。残りはお魚牛乳から摂取していると思われます。

編集部W
ビタミンDが重要なのは分かっていても、女性はつい紫外線対策をしすぎてしまう傾向にあります。

Dr.ピエール大友
そうですね。1980年代にオゾン層の破壊が進んだことによって、地上に降り注ぐ紫外線も増加したと言われています。

編集部W
テレビなどでも話題になりました。結果的に普段からしっかりと紫外線対策をするようになったのですね。

Dr.ピエール大友
テレビや雑誌によって紫外線が有害であるという認識が広まったためです。その時はビタミンDによる体内や皮膚への効能よりも、皮膚がんや白内障などのリスクの方が問題視されていました。

編集部W
そうしたことが子どものビタミンD不足にもつながっているのでしょうか。

Dr.ピエール大友
可能性はあると思います。子どもの日光浴については、1998年に母子手帳から子どもの日光浴を推奨する文章が削除されたました。

編集部W
なるほど。日光浴というと紫外線をイメージしてしまい、避けるべきものと考えてしまいがちです。赤ちゃんの皮膚は大人よりも薄いのため大人より慎重に考えてのことなのでしょうか。

Dr.ピエール大友
はい。紫外線には日焼けのほか、免疫機能が低下するなどの急性症状をひきおこすことがあります。シミやシワを増やす原因にもなりますね。
とはいえ、日本人は白色人種に比べると紫外線の影響は少ないです。

編集部W
紫外線を浴びなくなったことで結果的にビタミンD不足の問題になったということですね。

Dr.ピエール大友
はい。日光を浴びることで骨を強くしたり、免疫力を高めるビタミンDが作られていました。体内のビタミンDが不足すると、くる病など足の骨の形が変形する病気にかかることもあります。

編集部W
紫外線を浴びると体内でビタミンDが作られて、骨を強くしたり免疫力を高めるてくれるメリットがあるということがわかりました。それでは1日にどれくらい浴びれば良いのでしょうか。

Dr.ピエール大友
気候や地理的条件によっても変わります。夏の異常な暑さの中での日光浴はお勧めできませんが適度な日光浴は免疫力を高めたり、健康な体を作るために必要です。
国立環境研究所のサイトには、一定時間の日照で場所によりどれくらいのビタミンDが生成されるかについて記載してあります。参考にしてください。
http://db.cger.nies.go.jp/dataset/uv_vitaminD/ja/

編集部W
ありがとうございます。

Dr.ピエール大友
紫外線を浴び過ぎると、皮膚を乾燥させてシワやシミの原因になるだけではなく細胞のDNAを傷をつけることがあります。

編集部W
紫外線が細胞のDNAを傷つけるということですか?

Dr.ピエール大友
細胞には傷ついたDNAを修復する機能がありますが、長年にわたり繰り返し傷つけられているうちに、傷の直し間違いが起こり突然変異となって、皮膚がんが起こりやすくなると考えられるのです。

編集部W
皮膚がんになるのは怖いですね。

Dr.ピエール大友
先ほども少しお話ししたように日本人は白色人種に比べると皮膚がんにはなりにくい人種です。しかし紫外線は眼にも影響がでやすいので、日焼けよる角膜炎、翼状片、白内障など眼病の原因ともなります。紫外線が関係していると考えられる病気にはこのようなものがあります。

  • 慢性

<皮膚> 皮膚がん、シワ、シミ、老人班、良性腫瘍、前がん症
<目>  白内障、翼状片

  • 急性  日焼け、雪目、免疫機能低下

編集部W
よく分かりました。それでは先ほどはお魚、卵、牛乳が良いとのことでしたが、ほかにもビタミンDを含む食材を教えていただけますか?

Dr.ピエール大友
シイタケシメジキクラゲなどのキノコ類かな。お魚だとサケやカツオなど。でも魚介類全般にビタミンDが豊富ですね。

編集部W
子どもに必要なビタミンDはどれくらいでしょうか?

Dr.ピエール大友
600IU、1マイクログラムと言われています。食べた食材が全て吸収されるわけではありませんが、キクラゲは100gあたりにビタミンDが435マイクログラム含まれています。
ちなみにお魚だとマグロサンマは100gあたりにビタミンDが18マイクログラム程度含まれています。

編集部W
キクラゲ最強ですね。ほかにも栄養素を逃さない調理方法はありますか?

Dr.ピエール大友
ビタミンDは脂に溶けやすい脂溶性ビタミンなので、と一緒に摂取することで吸収率が高くなります。

編集部W
紫外線とビタミンDについて大変勉強になりました。
ピエール先生、どうもありがとうございました。

 

大友博之 渋谷セントラルクリニック エグゼクティブ ディレクター

日本抗加齢医学会専門医、日本麻酔科学会専門医、日本医師会認定産業医、国際抗加齢医学会専門医(WOSAAM)

免疫栄養学に基づいた食事指導、ホルモン補充療法、再生医療、運動療法を取り入れた新しい統合医療をベースにした診療で著名人にもファンが多い。最先端の西洋医学に通じている一方で、「鍼治療の魔術師」と呼ばれるほど鍼治療の名手で東洋医学にも造詣が深い。

またワインと健康食の愛好家しても名高く、ボルドー、ブルゴーニュ、シャンパーニュのワイン騎士団から名誉ある「シュバリエ」を叙任されているほか、料理芸術や食の楽しみといった価値感を共有する美食家が集う日本ラ・シェーヌ・デ・ロティスール協会の「オフィシエ」でもある。

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