
黒きくらげ くろきくらげ
八宝菜やラーメンなど、主に中華料理で多く目にする食材ですが、木の株や根に寄生して腐らせる褐色腐朽菌の一種です。正式名称はあらげきくらげです。形が海のクラゲに似ていることからきくらげと呼ばれていますが、他にも、耳に似ているため、tree earとも呼ばれています。幹物がほとんどですが、夏から秋にかけては、九州南部を中心に生のものも見かけます。
栄養素
黒きくらげは、β-グルカンが豊富に含まれています。きのこの多くに含まれている多糖類の不溶性食物繊維の一種です。不溶性食物繊維は、腸の蠕動運動を活発にし、β-グルカンは免疫力向上や生活習慣病の予防に効果があると期待されています。
黒きくらげの主な栄養成分(可食部100g個あたり 中1個約0.3g)
効能・効果
がん予防:β-グルカンは、がん細胞の増殖を抑える働きがあります。
便秘予防:不溶性食物繊維は、腸に入ってきた水分を吸収してふくらみ、腸の蠕動運動を活発にして便秘改善に貢献します。
腸管血流改善作用:血のめぐりをよくする働きがあるため、冷えや老化防止などの効果があります。
東洋医学的側面
- 寒熱:平(体を温めも冷やしもしない)
- 昇降・収散・潤燥:潤(体を潤す性質)
- 臓腑:胃、大腸、肝
- 五味:甘(補い滋養する作用)
- 毒性:なし
栄養素を上手に摂るための保存方法と調理方法
湿気を嫌うため、キッチンペーパーなどで挟むようにして密閉容器に入れ、冷蔵庫で保管します。保存して使いたいときは、乾物のほうが便利です。水に戻すと4~5倍になりますが、戻し時間は15分程度と短めにしておきましょう。戻しても、栄養分の損失はほとんどなく、淡泊な風味であるため、汁ものや炒め物、煮物など様々料理で活躍します。黒きくらげは厚みもあるため、コリコリした食感も楽しめます。