食物繊維の神秘を体得するサラダ

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カラダが喜ぶ理想的な食物繊維の摂り方

「腸内環境を良くするには食物繊維が大事!」というのは多くの人が知っている知識だと思いますが、食物繊維には2種類あり水溶性食物繊維不溶性食物繊維では腸内での働きが異なります。

そのため腸内環境によって、取るべき食物繊維を変えられるようになるのがオススメ。
その際に腸内環境の大事な指標となるのがうんち。

水溶性食物繊維には便を柔らかくする作用がありますし、不溶性の食物繊維は胃や腸内で水分をたくさん吸収することで便のかさが増えます。
また不溶性のものはそれ自身が大腸の刺激となって排便が促されることも!

そうしたことをお勉強されているからなのか、外来をしてると便秘が重症な方ほど不溶性食物繊維を多く摂り過ぎている傾向にあります。

結果として便が固くなることによって、知らず知らずのうちに便秘を悪化させていることも。

その一方で水溶性食物繊維ばかりだと便の量が増えず、便意を催しにくくなってしまうので両方のバランスが大事。

一般的には不溶性食物繊維2:水溶性食物繊維1ぐらいで摂取するのがベストされますが、本当はこの2つをどれくらい食べるのかはお通じの調子に応じて変えていけるようになるのが理想的です。

以前に消化器内科専門医のDr.菰池と便秘症の対談で「便秘の種類によって取るべき食物繊維が違う」をご紹介しました。
便秘でお悩みの方やご興味のある方はこちらの記事をご覧ください。

【便秘に悩んでいる人がお食事で気をつけること】
④ 便秘の種類によって取るべき食物繊維が違う

ダイエッターにもおすすめ  ”ごぼうとキノコと桃のサラダ”

ダイエット中のDr.ピエールが作ったのが腸内環境の為に考えたのが”ごぼうキノコのサラダ”。

茹でたごぼうには、100gあたり不溶性食物繊維3.4g、水溶性食物繊維2.7gと両方がバランスよく含まれています。

水溶性食物繊維に含まれる”イヌリン“は炭水化物の一種で、特にごぼうにはたくさん含まれています。
このイヌリンは血糖値の改善や、整腸効果があります。

食用にしているのは日本と韓国など一部の国に限られていて、中国などでは薬草として使われており、日本にはその中国から薬草として伝わりました。

東洋医学的には
寒熱:寒(体の熱を冷ます)
昇降・収散・潤燥:降(気を降ろす)・散(気を体の外へ出す作用)
臓腑:肺、胃、肺
五味:辛(発散、気を巡らせる作用)・苦(気を降ろす、固める作用)
毒性:なし

ごぼうの種子である牛蒡子を漢方薬では使用しますが、解熱や解毒などの作用があり風邪薬や皮膚病などの漢方処方に取り入れられています。


そして桃もキノコも両方の食物繊維が豊富で、特にキノコは全体的に不溶性食物繊維が多め。
今回はキノコ類の中でもトップクラスの食物繊維量を誇るキクラゲを使いました。

さっと茹でて、レモン汁とナンプラーとたっぷりの胡椒で。
ノンオイルなのでダイエット中でも気兼ねなく食べられます。

ちなみに食物繊維をたっぷり摂っていると、健康な便の色である明るい黄土色に近づきますよ!

今回のお料理で使った腸内環境を整える食材をもう少し詳しくお知りになりたい方はこちらをご覧ください。
☛ 腸内の発がん物質を吸着する「ごぼう(牛蒡)

☛ 食物繊維たっぷりで便秘に効く「もも(桃)」
☛ お肌と気管に潤いを与える「白きくらげ」

 

〔大友“ピエール” 博之〕

日本のみならずロサンゼルス、フランクフルト、香港、バンコクに拠点を持ち、個別化医療(precision medicine)を実践している。免疫栄養学に基づいた食事指導、ホルモン補充療法、運動療法を取り入れた治療で定評がある。

・ 医師 日本抗加齢医学会専門医 / 欧州抗加齢医学会専門医 / 日本麻酔科学会専門医
・ 西洋薬膳研究家、シェフドクターピエールとしても活躍中
渋谷セントラルクリニック代表
・ 一般財団法人 日本いたみ財団 教育委員
・ 一般社団法人食の拠点推進機構 評価認証委員/食のプロフェッショナル委員

・ 料理芸術や食の楽しみといった価値感を共有するシェフなどが集う日本ラ・シェーヌ・デ・ロティスール協会のオフィシエ
・ ワインにも造詣が深く、フランスの主要産地から名誉ある騎士号を叙任している。
 シャンパーニュ騎士団 シュヴァリエ / ボルドーワイン騎士団 コマンドリー /ブルゴーニュワイン騎士団 シュヴァリエ     

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