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お肌と気管に潤いを与える「白きくらげ」 しろきくらげ

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きくらげと白きくらげは同じようなものに思われがちですが、きくらげは木の株や根に寄生して腐らせる褐色腐朽菌の一種です。

白きくらげは、シロキクラゲ科シロキクラゲ属という黒きくらげと種類が異なります。白きくらげは黒きくらげの白色突然変異種で、中華圏などで流通しているいわゆるシロキクラゲ(銀耳)とは異なります。
黒きくらげに比べて優しい歯触りが特徴で、ほぼ無味無臭でクセもないため、様々なジャンルのお料理に合います。

白きくらげは一般に八重咲きの花のような形をしていて市販品は不規則に乾燥させた無色の寒天のような乾物です。

中華料理をはじめとして、昔から高級食材とされてきましたが、最近は菌床栽培が可能になり価格が安定してきました。国内では長野などで若干栽培されていますが、ほとんどが輸入ものです。旬は4月から10月頃までです。

 

白きくらげは免疫力が高くてカラダに優しいことで人気のある食材です。
DR大友は中華でいただく白きくらげのスープが滋味深くて好きです。

 


栄養素

白きくらげは、黒きくらげや他のキノコ類と同様にβ-グルカンが豊富に含まれています。
多糖類不溶性食物繊維の一種で、腸の蠕動運動を活発にするだけでなく、免疫力向上や生活習慣病の予防に効果があると期待されています。
また、他のきくらげに比べ、ビタミンDが多く含まれています。
ビタミンDは食事から摂取したカルシウムが骨のもとになるのを助ける働きがあります。

白きくらげの主な栄養成分(可食部100g個あたり 1個約0.3g)

エネルギー・・・162kcal
・ 食物繊維・・・68.7g
・ 不溶性食物繊維・・・49.4g
・ ビタミンD・・・970μg

効能・効果

がん予防:β-グルカンは、がん細胞の増殖を抑える働きがあります。

便秘予防:不溶性食物繊維は、腸に入ってきた水分を吸収してふくらみ、腸の蠕動運動を活発にして便秘改善に貢献します。

呼吸器の強化:肌だけでなく、気管にも潤いを与えるため、空咳やのどの乾燥に効果的です。漢方薬としては、虚弱体質の人や疲れやすい人に処方されます。

東洋医学的側面

・ 寒熱:平(体を温めも冷やしもしない)
・ 昇降・収散・潤燥:潤(体を潤す性質)
・ 臓腑:肺、胃、腎
・ 五味:甘(補い滋養する作用)・淡
・ 毒性:なし

「肺(鼻・のど・気管支・肺・皮膚など呼吸系)」と「腎(泌尿器系・生殖器系・ホルモン系・免疫系・水分代謝など)」の働きを助け、水では補えない深い渇きを癒やして、体に必要な潤いを補います。

栄養素を上手に摂るための保存方法と調理方法

湿気を嫌うためキッチンペーパーなどで挟むようにして密閉容器に入れ冷蔵庫で保管します。
保存して使いたいときは、乾物のほうが便利です。水に戻すと4~5倍になりますが、戻し時間は15分程度と短めにしておきましょう。

コリコリ感を活かし、お吸い物、酢の物、和え物、サラダなどにするとよいでしょう。また、圧力鍋等でトロトロにしてお粥に加えれば、出汁を吸って味に深みが出ます。
白く透明であるためシロップで煮ることにより、料理だけでなくデザートにも利用することができます。

 

【監修】 大友博之 渋谷セントラルクリニック エグゼクティブ ディレクター

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