睡眠を取れば痩せられるのか?ダイエットと脳機能

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【睡眠と食欲はどう関係しているのか??】

Dr.大友(イシペディア編集長)
今日は睡眠と食欲というテーマでお話をお伺いしたいと思います。ずばり関係していますか?

Dr.河村(渋谷セントラルクリニック院長)
私は関係していると思います。イシペディアにも臓器における摂食調節という解説コーナーがありますが、基本的には二つのホルモンについて知っていただきたいと思います。

Dr.大友
なんというホルモンですか?

Dr.河村
グレリンとレプチン。

Dr.大友
少し簡単に解説していただけますか?

Dr.河村
とっても簡単に言うとグレリンは食欲を増加させるホルモンでレプチンは満腹感を刺激するホルモンです。

Dr.大友
とってもわかりやすいですね。これが睡眠とどのように関係しているのでしょうか?

Dr.河村
通常はグレリンとレプチンがバランスを取り合って、食欲をコントロールしています。

Dr.大友
そうすることで食べ過ぎを防止しているわけですね。

Dr.河村
はい。 ただ睡眠の時間が十分でなかったり、 睡眠の質が悪かったりすることでこのバランスが崩れてしまいます。

Dr.大友
具体的にはどのようになってしまうのでしょうか?

Dr.河村
睡眠が悪い状況にあるとグレリンが増えて、レプチンが減ってしまいます。結果として食欲が増えてしまうことになるわけですね。

Dr.大友
なるほど。睡眠が良くないと食欲が増してしまうというのには、そういった理由があるのですね。

Dr.河村
食欲が増した結果としてお食事を食べ過ぎて、体重が増えるというサイクルが完成してしまうことになります。

Dr.大友
睡眠不足の時に食べ過ぎてしまう食材はありますか?

Dr.河村
研究によっては炭水化物。特に砂糖がたっぷりのお菓子などを食べ過ぎてしまうことが指摘されています。私もダイエット外来していて同じような印象を持っています。

Dr.大友
血糖値が上がりやすい食べ物を食べているとインスリンも大量に分泌されることから、しばらくすると血糖が急激に下がってしまいますね。それを防ごうとして本能的に甘いものを食べたくなり、血糖が上がってしまうことになるのですね。

Dr.河村
血糖値の上がり下がりが激しくなることにつながってしまいます。

Dr.大友
睡眠不足とはどれぐらいの期間で食欲に影響するようになるのですか?

Dr.河村
たった数日でも食欲が増す可能性があるとされていますよ。

Dr.大友
やはり睡眠不足はダイエットの敵ですね。睡眠を良くするためにはどのような方法があるのでしょうか?

Dr.河村
まず重要なのは規則正しい生活をすることですね。早く寝ることに越したことありませんが、遅いなら遅いなりに毎日決まった時間に寝ることがおすすめです。

Dr.大友
夜遅くまで起きていると昼寝をすることもあると思います。先生はどう思いますか?

Dr.河村
5分~10分ウトウトするのであれば悪いと思いませんが、お昼間に寝すぎてしまうと夜の入眠に影響することもありますので気をつけてください。

Dr.大友
寝入りを良くする方法は他にもありますか?

Dr.河村
快適な環境を作ることですね。 暑すぎず、涼しすぎず、うるさすぎず。スマートフォンやテレビは予防医学の観点からもベッドルームには置かない方が理想とされていますね。コーヒーアルコールも睡眠を妨げますので、寝る前には飲まない方が良いですよ。

Dr.大友
コーヒーは睡眠を妨げるイメージはありますが、寝つきの悪い夜に少しアルコール度数の高いお酒を飲む方もいらっしゃると思います。アルコールは睡眠には良くないということ?

Dr.河村
そう考えます。

Dr.大友
あれだけお酒を飲まれるDr.河村がおっしゃるんですから説得力がありますね。それ以外にも気をつけることはありますか?

Dr.河村
夜は炭水化物を控えた方が良いと思います。血糖値の関係で睡眠が浅くなる可能性があります。

Dr.大友
血糖値が下がった時に、体の中で血糖値を上げようとして交感神経が優位になるからですね。

Dr.河村
その通りです。夜はタンパク質とお野菜を中心にお召し上がりいただくのが理想的です。晩酌も多くても日本酒ワインの換算でグラス2杯ぐらいかな。

Dr.大友
先生がお召し上がりになられるよりは少ない印象です(笑)お野菜はどんなものでお勧めですか?

Dr.河村
私はアブラナ科の野菜がおすすめです。腸管の免疫力を高めてくれる作用もありますし。

Dr.大友
睡眠が良くすることの重要性がわかりました。

Dr.河村
睡眠は健康全てに通じると言って良いでしょうね。

Dr.大友
勉強になりました。

 

 

大友博之 渋谷セントラルクリニック エグゼクティブ ディレクター

日本抗加齢医学会専門医、日本麻酔科学会専門医、日本医師会認定産業医、国際抗加齢医学会専門医(WOSAAM)

免疫栄養学に基づいた食事指導、ホルモン補充療法、再生医療、運動療法を取り入れた新しい統合医療をベースにした診療で著名人にもファンが多い。最先端の西洋医学に通じている一方で、「鍼治療の魔術師」と呼ばれるほど鍼治療の名手で東洋医学にも造詣が深い。

またワインと健康食の愛好家しても名高く、ボルドー、ブルゴーニュ、シャンパーニュのワイン騎士団から名誉ある「シュバリエ」を叙任されているほか、料理芸術や食の楽しみといった価値感を共有する美食家が集う日本ラ・シェーヌ・デ・ロティスール協会の「オフィシエ」でもある。

河村優子 渋谷セントラルクリニック 院長

医学博士、日本抗加齢医学会専門医、日本麻酔科学会専門医、特定認定再生医療等委員会 委員、FTP認定マットピラティスインストラクター

ダイエットをこよなく愛する女性医師。そのため患者さん目線でダイエットが上手くいかない原因を追究している。大友と同じくボルドーワイン、ブルゴーニュワイン、シャンパーニュワイン騎士団、日本ラ・シェーヌ・デ・ロティスール協会のメンバーでもある。

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