活動代謝と酸素摂取量との関係 かつどうたいしゃとさんそせっしゅりょうとのかんけい

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活動代謝とは、「荷物を運ぶ」「階段を昇る」「掃除機をかける」「洗濯物を干す」といった日常生活においての動作(これを「非運動性身体活動」といいます)や、ランニングやトレーニングで消費されるエネルギーのことを指します。

肉体労働が多い職種の人や主婦など、日頃から意識的に体を動かしている人は、必然的に活動代謝量が大きくなります。対して、仕事はデスクワークが中心のオフィスワーカーの人などは日々の運動量がどうしても少ない傾向にあるため、活動代謝量は小さくなります。1日の消費エネルギー全体のうち、活動代謝がどの程度を占めているのでしょうか。標準的な活動レベルの人の場合、この割合はおよそ30%と言われています。

エネルギー消費の60%が基礎代謝によるもので、これは日によって大きく変わることはありません。身体活動で消費されるエネルギー量は、筋肉量や体重といった体格に加えて、活動の強度・時間によって変動します。つまり「体の大きい人が」「高い強度で」「長時間行なう」ほど、エネルギー消費量は多くなります。したがって、1日のエネルギー消費量を増やそうとすると、活動量を増やすことが肝心になります。

また、活動代謝量は酸素摂取量とも関係があります。運動時の酸素摂取量は、大雑把に分けると、強度が高い運動をしている場合は小さく、強度が低い運動をしている場合は多くなります。これは、強度によって用いるエネルギー源がことなるからです。強度の低い運動をしている時は、いわゆる「有酸素運動」の状態です。この時、エネルギー源として消費されるのは、脂肪です。基本的に脂肪は十分に蓄積されているため、エネルギー切れすることはありません。ただし、運動開始から有酸素運動の状態になるまでには数十分かかると言われており、脂肪をエネルギーとして消費し始めるまでに時間がかかります。

強度の高い運動をしている時は、いわゆる「無酸素運動」の状態です。この時、エネルギー源として消費されるのは、筋肉に存在する糖です。筋肉に存在する糖の量は少なく、また運動後に補填する必要があるため、活動を終えた後もエネルギーの消費が続きます。活動後に糖の補填のために用いられるエネルギー源は脂肪です。強度の高い運動をした後は、体の中に蓄積された脂肪が分解されて糖となり、肝臓や筋肉に補充されます。有酸素運動の場合、活動を終えた後も継続して脂肪が燃焼されることはありません。したがって、有酸素運動と無酸素運動を比べると、無酸素運動の方がトータルの燃焼エネルギーが大きくなります。

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