

③ 肝臓がん 手術や抗がん剤治療後のアルコール
Dr.大友(渋谷セントラルクリニック総院長)
肝臓がんの治療中、治療前のアルコールはよくないということが分かりました。例えば治療が3か月とか半年とかしてお腹の傷もだいぶ癒えてきて、手術してお腹の傷も癒えてくるような時期、抗がん剤をしたら少し疲れが抜けてきたような時期にお酒飲みたいって言われたら先生はどのようにご説明しますか。
Dr.菰池 (たまちホームクリニック院長)
非常に難しいですよね。外来をやっているとね。
Dr.大友
言われますよね。
Dr.菰池
言われますね。
Dr.大友
もともと好きな人ですしね、きっと。
Dr.菰池
そうですね。外科の先生と私みたいな内科の立場でちょっと考えも違うでしょうけども。予防的な意味で、あるいは私の職業からお話をすると、アルコールは絶対にNOです。
Dr.大友
NO。
Dr.菰池
はい。
Dr.大友
でも、先生プリーズ(お願い)って言われたらどうしますか。
Dr.菰池
そうですね、これもまた病気の段階とか、手術がどういう風に上手くいったかによると思いますが。
Dr.大友
有る程度上手くいってるとしてね、いい状況であるとして。
Dr.菰池
先ほど肝硬変とか慢性肝炎とか基礎疾患がもう今無い状態という風にお聞きしましたので、そういう状態の方でしたら経過を追ってアルコールを常識の範囲で飲んでいただく。
Dr.大友
俗に言う、適量ってやつですね。
Dr.菰池
そうですね。これが、また難しいね。
Dr.大友
適量って難しい。逆に飲みすぎって、過度の飲酒ってどれぐらいなんですか。
Dr.菰池
そうですね。Dr.大友と私みたいな下戸ではちょっと、もしかしたら違うかも知れませんが・・。
Dr.大友
いえいえ、違いません。。。一般的に。
Dr.菰池
一般的にはアメリカの疾病予防センターでしたっけ。
Dr.大友
CDC。
Dr.菰池
CDC。アメリカの疾病予防センターで定義されているのは、ビールで言うと350ccの缶、1本が適量。
Dr.大友
1本!適量。
Dr.菰池
はい。
Dr.大友
それ、男性も女性も一緒ですか。
Dr.菰池
あ、失礼しました。女性だとですね。
Dr.大友
うん。
Dr.菰池
男性だと、まあ2本くらいまででしょうね。
Dr.大友
2本ぐらい。倍、飲んでいいってわけじゃないですけど。でもアメリカ人だから、体がでかいだけかもしれないですね。
Dr.菰池
かもしれませんね。日本ではもうちょっと少ないのが常識だと思います。
Dr.大友
ワインだったら、どれくらいになるんですかね。
Dr.菰池
ワインだとグラス1杯とかって言いますよね。
Dr.大友
グラス1杯。ということは120ccとか150ccくらい。
ウイスキーだとアルコール濃度を考えると・・・。
Dr.菰池
その3分の1くらいでしょうかね。
Dr.大友
ウイスキーだと40ccくらい。
Dr.菰池
40cc、50ccくらいでしょうね。
Dr.大友
これ以上飲んでいる人は過度。飲みすぎってことですね。
Dr.菰池
と言っていいと思いますし、あくまで病気を予防する為にはゼロがベターですけども、それくらいまでなら適量、常識範囲内かなという感じでしょうか。
Dr.大友
わかりました。
大友博之 渋谷セントラルクリニック エグゼクティブ ディレクター
日本抗加齢医学会専門医、日本麻酔科学会専門医、日本医師会認定産業医、国際抗加齢医学会専門医(WOSAAM)
免疫栄養学に基づいた食事指導、ホルモン補充療法、再生医療、運動療法を取り入れた新しい統合医療をベースにした診療で著名人にもファンが多い。最先端の西洋医学に通じている一方で、「鍼治療の魔術師」と呼ばれるほど鍼治療の名手で東洋医学にも造詣が深い。
またワインと健康食の愛好家しても名高く、ボルドー、ブルゴーニュ、シャンパーニュのワイン騎士団から名誉ある「シュバリエ」を叙任されているほか、料理芸術や食の楽しみといった価値感を共有する美食家が集う日本ラ・シェーヌ・デ・ロティスール協会の「オフィシエ」でもある。
日本内科学会認定医、日本消化器病学会認定消化器病専門医、日本消化管学会認定指導医、日本肝臓学会肝臓専門医、日本ヘリコバクターピロリ学会認定感染症認定医、日本がん治療認定医機構がん治療認定医、日本カプセル内視鏡学会認定医、日本医師会認定産業医