海老味噌を発掘しにバンコクの奥地へ突入
タイの食生活に欠かせない海老味噌
タイの調味料といえばナンプラーが有名だけれど、それと同じぐらい使われているのがアミを塩漬けにして発酵させた海老味噌「ガピ」。
ガピなしではカレーペーストも作れないこともあり、タイでは古くから食生活には欠かせない。
スーパーでも手軽に買えるが、とある高級レストランで食べたときに手作りのガピの素晴らしさに驚いて、秘境とも思える場所まではるばる訪ねてみた。
ひとけのない場所に山盛りの味噌おけと一人のおばちゃん、この人こそが海老味噌作りの名人だった。
その場で味見をした1年熟成の味噌の旨みに唸っていると、なんと秘蔵の3年熟成ものがあるとおばちゃんがコッソリつぶやく。
本来売り物にはしていない(ホントか??)というのを特別に分けていただき、大事に日本に持ち帰ったその熟成海老味噌が、今回のお料理の大事な脇役を務めます。
患者様に分けていただいた無農薬のかき菜と泥付きの元気な長ネギが主役だから、素材の味を活かすためにシンプルに海老味噌とアボガドオイルで炒める。
海老味噌は油で加熱することによって独特の発酵臭がぬけて旨みが倍増するので、まず最初に香味野菜と一緒にゆっくり炒めるのが美味しくするためのコツ。
この後は、海老味噌の原料であるアミにはDHAとEPAがたっぷりで・・と健康のお話をしようとしていたのですが、ここで衝撃の事実。
なんとアミには「オキアミ」と「アキアミ」という2種類があり、2つは全くの別物。アキアミは海釣りに使われ、正確には海老ですらないのだとか!
お恥ずかしながら全く知らなかった。
Dr.ピエールもまだまだ熟成が必要なようです。
青菜の海老味噌炒め 医食同源レシピ
【材料】
かき菜などお好きな青菜 : 一束
長ネギ : 1/2本
ニンニク : 1片
乾燥唐辛子 : 1/2本
海老味噌 : 大さじ1/2
アボカドオイル : 大さじ1
野菜スープ (または水) : 大さじ3
【作り方】
① ニンニクを軽くつぶし、赤唐辛子は水に漬けて中の種を抜く。
② フライパンにアボカドオイル、ニンニク、唐辛子、海老味噌を入れ、油に海老味噌を溶かすように潰しながら弱火で温める。
③ 香りが立ったら野菜類を入れてスープを加え、蓋をして蒸し焼きにする。
〔大友“ピエール” 博之〕
日本のみならずロサンゼルス、フランクフルト、香港、バンコクに拠点を持ち、個別化医療(precision medicine)を実践している。免疫栄養学に基づいた食事指導、ホルモン補充療法、運動療法を取り入れた治療で定評がある。
・ 医師 日本抗加齢医学会専門医 / 欧州抗加齢医学会専門医 / 日本麻酔科学会専門医
・ 西洋薬膳研究家、シェフドクターピエールとしても活躍中
・ 渋谷セントラルクリニック代表
・ 一般財団法人 日本いたみ財団 教育委員
・ 料理芸術や食の楽しみといった価値感を共有するシェフなどが集う日本ラ・シェーヌ・デ・ロティスール協会のオフィシエ
・ ワインにも造詣が深く、フランスの主要産地から名誉ある騎士号を叙任している。
シャンパーニュ騎士団 シュヴァリエ / ボルドーワイン騎士団 コマンドリー /ブルゴーニュワイン騎士団 シュヴァリエ