香り成分で胃もたれスッキリ「フェンネル(ウイキヨウ)」 ふぇんねる(ういきょう)
フェンネルは地中海沿岸を原産とするセリ科ウイキョウ属の植物です。日本ではあまり見かけることはありませんが、西洋ではお馴染みの野菜です。旬はおおむね6月から8月あたりです。
栄養素
フェンネルには、カリウム・鉄分・ビタミンC・食物繊維など、健康的な生活に欠かせない多くの栄養素が豊富に含まれています。
ビタミンではビタミンAが特に豊富に含まれています。ビタミンAは皮膚や粘膜を健康に保ち、細胞の老化防止や免疫力の向上に効果があります。その他、フェンネルからはビタミンB1を摂取することもできます。ビタミンB1は糖質をエネルギーに変えるサポートをするため、疲労回復などに効果的です。
ミネラル類では、骨や歯の成長に欠かせないカルシウムやリン。体内の余分な塩分を排出してむくみや高血圧を予防するカリウムなどが多く含まれています。
また、フェンネルは香りが良いことで人気のハーブですが、その香り成分であるアネトールは消化促進に高い効果があるほか、女性ホルモンに似た働きをすることで生理不順を改善するなど女性の悩みを解消する効果も期待できます。
フェンネルの主な栄養成分(可食部100gあたり)
・ビタミンA・・・48㎍
・葉酸・・・27㎍
・ビタミンB1・・・0.010mg
・ビタミンB2・・・0.032mg
・ビタミンC・・・12mg
効能・効果
消化促進:香り成分であるアネトールが消化を促進し胃もたれや消化不良を防ぎます。
老化防止:ビタミンAが細胞の老化を防ぎ、皮膚や粘膜を健康に維持し免疫力を高めます。
夏バテ防止:ビタミンB1が糖質をエネルギーに変えるサポートをして夏バテを防止します。
貧血予防:葉酸が新しい赤血球を作り出す造血作用の働きをして貧血を予防します。
東洋医学的側面
・寒熱:温(穏やかに体を温める)
・昇降・収散・潤燥:散(気を体の外へ出す作用)・燥(体に溜まった余分な水分を排泄する)
・臓腑:肝・腎・脾・胃
・五味:辛(発散、気を巡らせる作用)
・毒性:なし
利尿作用、消化や血行の促進
栄養素を上手に摂るための保存方法と調理方法
フェンネルは、鱗茎部分と葉の部分を分けて保存するのがおすすめです。鱗茎部分は乾燥しないようにポリ袋などに入れて冷蔵庫に保存します。葉の部分は湿らせた新聞紙などにくるんでポリ袋に入れ、冷蔵庫で保存します。
フェンネルの香りには魚臭さを消す効果があるので、魚料理に利用するとよいでしょう。また、β-カロテンは油と一緒に調理すると吸収率がアップするので天ぷらなどもおすすめです。