お腹を下しやすい人に「らっきょう」 らっきょう
「疲れたときに・・・」の代名詞とも言えるらっきょうは、夏が旬の野菜です。沖縄の島らっきょうはそれより少し早く5月くらいです。
野菜にしては品種が少なく、ラクダ、八つ房、玉らっきょう、九頭竜らっきょうの4種が存在します。
栄養素
らっきょうといえば、ツンと鼻を刺す強い刺激臭が特徴です。この臭いは、たまねぎやにんにくにも含まれる硫化アリルで、その仲間のアリシンには、ビタミンB1の吸収を助ける働きがあり、これによって血行を良くしたり、乳酸を分解して疲労回復を早めたり、脳や神経を健康に保つなどのさまざまな効果が期待されます。
また、たまねぎの13倍という豊富な食物繊維を含み、そのほとんどが水溶性食物繊維です。血糖値やコレステロールの上昇を抑える働きをもつとされており、生活習慣病予防に一役買っています。
らっきょうの栄養成分(可食部100g個あたり 中1個約6g)
・エネルギー・・・118kcal
・炭水化物・・・29.3g
・食物繊維・・・20.7g
・水溶性食物繊維・・・18.6g
効能・効果
心臓病予防:らっきょうにはビタミンB1の吸収を良くする働きがあるため、体内に必要な代謝を活発にします。ビタミンB1が不足すると、乳酸が蓄積し、体内の新陳代謝がスムーズにおこなわれないため、イライラや神経過敏が起こり、心臓にも負担をかけることになります。
整腸(下痢予防):らっきょうの臭い成分である硫化アリルは、非常に強い抗菌性物質です。ビタミンB1の吸収を高める働きとともに、腸を整えるので、下痢の予防になります。
東洋医学的側面
・寒熱:温(穏やかに体を温める)
・昇降・収散・潤燥:降(気を降ろす)・散(気を体の外へ出す作用)
・臓腑:肺・胃・大腸
・五味:辛(発散、気を巡らせる作用)・苦(気を降ろす、固める作用)
・毒性:なし
栄養素を上手に摂るための保存方法と調理方法
生らっきょうはすぐに芽が伸びてくるので、早めに使用するのが良いでしょう。ふっくらとしていて芽が伸びてないものを選ぶと良いです。
うす皮をむいてひげ根を落とし、甘酢漬けや塩漬け、しょうゆ漬けや味噌漬けにしておくと便利です。風味の移った漬け汁は捨てずに、肉などの下味に使うと、おいしく無駄なくいただけます。